先日PODの新型と大いに迷って、購入に踏み切ったレイニーのアンプヘッド「IRONHEART IRT-STUDIO」。レイニーが2010年代に発表した野心的な製品。
数々の機能
このアンプヘッド、かなり機能的に多くを備えていまして、
・キャビネットエミュレーターを搭載し、直接繋いでの録音が可能
・スピーカーアウトに何も挿さずに電源を入れられるよう、ダミーロードを搭載
・USB端子を使い、オーディオインターフェースとして利用
・USB端子を使い、リアンプが可能
・15Wと1Wの2種類のインプット
二つ目の機能は、かなりラインレコーディングを意識していることを感じさせます。もちろんスピーカーアウトから手頃なキャビネットに繋ぐことで、チューブアンプとしてご機嫌なサウンドを奏でることができまして、さらに1Wの低出力も搭載することで、日本の住宅事情でもかなり使いやすい音量で鳴らすことができます。
リアンプというのは、レコーディングされたテイクに対する後掛けのアンプ通しなわけですが、現在のハードではほぼ当たり前の機能となっています。この製品が発売された時期にはハード機器にこれが付いてるものは少なかったので、当時新製品を発売する上での目玉機能だったのかもしれませんね。
さてさて、音源ですが、D.I.アウトから直接キャビネットエミュを通して直接オーディオI/Oにぶち込んで録音しています。前述のリアンプは使っていません。
サウンドレビュー
音色の特性は中高域に粘りがあり、じつに気持ちの良いサウンドがします。最初にこのアンプを弾いたときの感想が「あまり歪まない」というもので、僕の手持ちのギターがまずハイゲインに不向きなのと、レイニーというブランドのアンプがよく歪むという先入観によるものでもありました。とはいえ、Pre-boostをかけるとかなりゲインはあがります。高音がジャリッとし出すので、シングルだとキンキンしやすいです。わりとハムバッカー向けの歪みかも。
動画の途中のクランチの部分や、ラストでよく聞こえるアルペジオのクリーントーンなど、シングルコイルでのレンジの広いジャキッとした音はかなり良い感じです。
問題のキャビネットエミュレーターは思っていた以上の出来で、これ単体でレコーディングしてもかなりかっこいいサウンドに仕上がる逸品となっています。音色的にもマイク録音にかなり近い自然な出来。キャビシミュの後掛けもいろいろためしましたが、そのままが一番良かったです。あとは聴いて判断してくださいというところでしょうか。
兄弟機
初代IRT-STUDIOの感触が良かったのか、後になって色々と兄弟機が登場しました。
IRT-PULSE
ペダル型サイズのIRT。プリアンプという扱いですが、普通にエフェクター感覚でも良い感じの音が出ます。上位譲りのインターフェース機能なども搭載。
IRT15H
LANEY IRT15H サウンドハウス
真空管の種類が違う、IRT-STUDIOの下位モデル。音色や操作性や機能は全て上位譲りながら、さらに安いので、低予算でお探しの方におすすめ。
まとめ
このアンプヘッドは日本ではサウンドハウス以外ほとんど売ってないのもあって、あまり動画や音源のサンプルがありませんでした。最近はずいぶんと増えてきていますので、順調に売れてきているんでしょう。現在、サウンドハウスはレイニーの正規輸入代理店となっています。
ところで、この曲オリジナルなんですが、だいぶ後になって再録しました。
Bandcampで販売をしてますので、もし良かったら見ていってくださいね。
はじめまして。Laney IRT studioについて調べている中で本HPに行き着きコメントさせて頂いております。
音源も聴きましたが、とてもかっこよく正直驚いております。現在IRTの購入も検討しているのですが、何点か
お聞きしたいことがあり、もし可能であればお返事・ご意見頂けるとありがたいです。
1.このアンプをスピーカーキャビネット接続せずに使用した場合、発熱はどの程度でしょうか?天面が触れない
ほど熱くなるでしょうか?
2.この音源ではアンプ以外ではエフェクトはかけてないでしょうか?PC上でも録音時に何もかけずに行っているのでしょうか?
3.ノイズ問題がネット情報では散見されますが、如何でしょうか?ハムノイズやクリックノイズ等
4.このアンプはヘッドフォン接続した場合、ボリューム調整はどこで行うのでしょうか?またその際に音質はアップされている音源と
変わらない品質でしょうか?
以上、長文となってしまい申し訳ありません。アップされていた動画音源に感動した次第で、ぜひご返信ご意見の程、宜しくお願い致します。
こんにちは
こんにちは、ご訪問ありがとうございます。
以下、使った上での印象でお答えします。
1.とくに発熱が酷いとは感じません。上に何か乗せたりしなければ大丈夫じゃないでしょうか。
2.録り終わった後に若干のEQとコンプは掛けています。そのまま使うとやや固すぎる印象です。
3.あまり感じたことはないですが…、ゲインを最大まで上げるとノイズというよりシャリシャリした感じになります。シングルコイルだと顕著。
4.ヘッドホンは挿したことがないので、音質についてはなんとも言えませんが、ボリュームは普通に前面のマスターだと思います。
個人的には値段のわりには相当強力なツールだと思います。真空管アンプのもつ存在感は良い感じで出ていると思いますが、EQの特性がかなり高域寄りなので、適当にハイゲインで使うと昔のメタルのような固い音になります。この辺は好みが分かれるかも知れませんね。クリーン、クランチは絶品ですよ。
まーかーさん
レスポンスが遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
発熱の件は、ダミーロード使用時でもそんなに問題が無いようで安心しました。ヘッドフォンはあまり使われないということで
したが、もしお試しになる機会があった時はぜひレビューを掲載して頂けるとうれしいです。
パワーアンプをかなり上げた艶のあるクリーンやクランチが好みの音色なのでとても気になる機種ですが、なかなか不明な点があったので
使用感を教えて頂いて非常に参考になりました。本当にありがとうございました。これからもブログ楽しみに拝見させていただきます!
追記
今朝少し時間があったので引っ張り出してヘッドホンを挿してみましたが、裏側のジャック隣にヘッドホン用のボリュームがありました。マスターで音質を調整して、ヘッドホン用ボリュームで出音も調整できるようです。音質はほぼ変わらない印象でした。
まーかーさん
早速のレビューありがとうございます!調整もついていて、音質もほぼ変わらないとなると、もう購入しかないかなと
考えてます!
詳しい説明本当にありがとうございました!!これからも楽しみに拝見させていただきます。