Line6 POD HD モデリング別レビュー

By | 2014年8月7日

発売されて結構経ちますが、今頃になってレコーディング専用機としてPOD HD 300を手に入れたので、ちょっくらレビューしてみます。

 

POD HDシリーズ兄弟

POD HDシリーズは発売当初300,400,500と豆(bean)の4種類あったようですが、現在では300と400はなくなり、500の改訂版である500Xと豆とラック型のProが残るだけとなりました。300〜500はライブ使用を意識されたフロアタイプ。今までの「POD ○○ Live」と同じ位置づけです。

豆は昔のPODを彷彿させる形ですが、どうにもあんまりかっこよくないし取り回しも良くないです。Line 6がこれに拘るわけは一体…。


300と400はアンプモデル等の数が同じで、上位版(500、500X、豆)に比べると少し削減されています。あとはEQとブースターが同時に使えません。ここはネットでも指摘してる人が多い場所。

ちなみに、音色は上位版のHD、500あるいは500Xと同じものというところがポイント。モデル数、機能が削減されている面がそれなりにありますが、その機能自体が必要ないものであれば何の問題もないわけで。中古価格は非常に安いので、上位版との価格差を考えても手に入れる価値は十分にあります。

500よりも上位版ではフルで機能が使えます。300はそれに加えて、バンク切り替え時の操作性の難もあって、あまり人気がないのだと思います。しかし、バンクの切り替えを頻繁にしない、音色数をさほど使わない人や、もっぱら宅録メインの向きにとっては300で十分だと思います。

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HDは高域のヌケ具合が上がっている

肝心の音ですが、前述の通り下位版と上位版との差はなく、あくまで種類の豊富さの問題。さすがに音質を下げると売れないでしょうから。

僕はPOD XTを発売まもない時代に手に入れて、それ以来7年ほど使っていた過去がありますが、今回のはそれとは別次元の音がします。XTにあった高音のヌケの悪さが改善され、最終的にはどれもこれも似たような音でしか勝負できない、という間口の狭さもHDからは感じられません。この辺は使えるメモリの量が飛躍的に増大したことに依るものでしょう。時代の変化はスゴイ。

少し前に録音用に購入してレビューしたLaneyのIRT-STUDIOには、さすがにチューブプリアンプ特有の生々しさとエッジの効いた存在感があり、やはりシミュレーターでそこに及ぶのは難しいですが、デジタルのシミュレーターには変幻自在の音色数があり、アンプだけでは真似のし辛い細かいセッティングなども可能なので、あらゆる局面で即戦力となれそうな雰囲気があります。

 

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PCとの連携もレベルアップし、POD HD Editはかなり良い感じで使えます。XT時代のサルが出てくる使えないアプリとはえらい差です。この辺はAmplitubeやGuitar Rigという強力なライバルもいる以上、手は抜けない場所ですね。ていうか、本体だけで音作りなんてのは不可能です。万一ここを見てる方でPCを持っていない方がいらっしゃったら、導入は慎重に考えた方が良いです。

 

アンプモデル一覧

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この曲ですが、ベースも含めて、すべてPOD HD 300で作り上げた音だけで録音されています。

動画の方には出てきますが、使った音色はというと…

リードギター
California Treadplate (Mesa-Boogie Dual Rectifier)
Color Drive (Colorsound Overdriver)

アルペジオ
Tweed B-Man Nrm (Fender Bassman)
EQ & U-Vibe

バッキング
Bomber Uber (Bogner Uberschall)

クランチ・リード
Solo 100 Crunch (Soldano SLO-100)
Tube Drive (Chandler Tube Driver)

ベース
Flip Top (Ampeg B-15NF Portaflex)
Boost Comp (MXR Micro Amp)

こんなところです。上記に出ているものを中心に、アンプモデルやエフェクトについてのべてみます。モデリングに対してのレビューであって、元となったアンプのキャラクターは考えてませんのであしからず。

 

アンプモデル・レビュー

・California Treadplate
メサ・ブギーのレクティファイヤーのモデリング。リードギターにはうってつけな太い歪みをたたき出します。単体だとメタルっぽくなりすぎるので、ゲインは7割ぐらいにしてブースターで補強。このアンプのモデリングは各社わりと使えるのがそろってます。後述のマーシャルとはえらい違い。

・Tweed B-Man
フェンダー社ベースマン。60年代のイメージがありますが、クリーンがイメージに合ったので、イントロのアルペジオに使用。線は細く煌びやかです。

・Bomber Uber
ボグナーのモデリング。元のアンプと同じくやたらと太くよく歪みます。音は抜群にカッコいいんですが、帯域が広いので、リードに使用するならば中域を締めねばならないかもしれませんね。今回ノンエフェクトでバッキングに使用しましたが、思ったよりシャカシャカした音になりました。もう少しゲイン落としても良かったと後で思ってます。

・Solo 100 Crunch
クランチ系の音は結構使えるものが多いです。このアンプモデリングはゲインを絞るとオールドマーシャルのような、SRVちっくというか、枯れたサウンドが出てきます。しっかりしたストラトで弾くと、何時間でも弾いていられる超気持ちいい音に。音源で枯れてないのは僕自身のプレイスタイルとフレーズの問題か。ソルダーノのモデリングはXT時代から比較的よく使ってました。

・Flip Top
アンペグのモデリング。ロックベースな音がします。太すぎて4弦と1弦のダイナミクスの差が大きすぎました。コンプを掛けようとしてもベース用のがなかったので、試しにMicro Ampモデリングを掛けてみると、かなり強力にコンプレッションされました。このペダル、現物にはGainしかなかったはずなんですが、なぜかモデリングの方にはEQがついています。

・マーシャル系
JCM800を筆頭としたマーシャル系は今回も見送り。どうもあらゆるアンプシミュレーターを使って、モデリングのマーシャルで満足できた試しがない。単体でクランチ程度ならともかく、ゲインを最大近くまで上げると、どうもスカスカ、シャリシャリな音になるものが多いです。ブースターをかますといっそう酷かったりする。マーシャルはモデリングが難しいのか…!?

・フェンダー系
クリーンを探す際にデラックスリバーブやツインリバーブを考えない訳はないのですが、どうにも高域が詰まったようなヌケの悪さを感じて見送り。これはモデリングが悪いと言うより僕のイメージにそぐわなかっただけかも。音自体は太く良い感じです。個人的にはフェンダー系はもう少し高域が伸びているイメージがあるんですが。アンプ内蔵のスピーカーで聴くのと、モデリングされた音をオーディオ系スピーカーで聴くのとの聴覚的な差異か?

・その他ブティック系
スタイル的にほぼ使わないので何とも言えませんが、Divided by 13はかなりいい感じの印象。ほどよく歪み、ほどよくクリーン。昔のブルースロック的な音ですが、色んなシーンで合いそうな懐の広さを感じます。現代でも全然使えそう。このアンプ、検索しても日本語ヒットなしなんですが、よほど日本ではなじみがないんでしょうか。最近ではイケベ楽器が取り扱いだしてますね。クオリティの高さの割には入ってくるのが遅すぎた気も。現物はなんせ高価なので、ひとまずモデリングで我慢しときます。VOX AC30もあらゆるアンシミュに入ってますが、これなんかはビートルズやる人以外使わないんじゃないでしょうかね。ビートルズやる人がそれだけ多いということか。

 

エフェクト・レビュー

エフェクトは、ほどほどに。

・Color Drive
ブースト系オーバードライブで一番良かったのがこれ。定番のScreamerだとかOver Driveだとかありましたが、こいつの素晴らしさには到底及びませんでした。ここに来て欲しいという箇所をみごとにブーストしてくれて、非常に使えるモデリングとなっております。元々はColorsoundという会社のOverdriverというのが元ネタだとか。Jeff Beckが使っていたそうな。名前だけ見たときランドグラフかと思いましたよ。

・コンプ、ドライブ系その他
Screamerって最初にいつも試すんですが、大体どれも同じ音になる。某有名ギタリストの影響で、とりあえず何にでもモデリングされてますが、あまり使って良い結果になった試しなしです。よほど上手く使う必要があるのか、それとも僕の作り方がまずいのか。コンプはダイナコンプ系のストンプが主。ラック型のTube Compみたいなのがあってくれればベースなんかには良かったんですが。

・EQ系
必要最低限揃っているという印象。パライコ、グライコどちらかですが、効きも良いので、上手く使えばきれいに狙った音が作れます。ただ、最初に書いたように、ブースター、オーバードライブ系と併用出来ないのが痛い。これは500や豆では併用出来るので、気になる向きには上位版を買うべし。

・モジュレーション、ディレイ
数あるエフェクト群でも素晴らしいのがこのカテゴリ。空間系は本当にスゴイです。TCのDynamic Delayまであったのには驚愕しました。しかもセッティングも細かく出来るし、音質も非常にクリアで素晴らしい。レコーディングではディレイの掛け録りはしないので今回は使ってませんが、モジュレーションは上にあるように、Uni-Vibeのモデリングをごく少量と、Bメロのバックになってるアルペジオにトレモロを掛けました。ここまでレベルが高いとディレイだけ別枠で使うのも十分にありです。

 

おわりに

というわけで、足早にレビューしましたが、廃盤直後の現在が言うなれば旧モデルの買い時かも。まだ持ってない人から既に持っている人まで、このレビューが参考になれば幸いです。


3 thoughts on “Line6 POD HD モデリング別レビュー

  1. かず

    私も同じものを使っておりまして、ソロの音作りに困っていました。
    もしよろしければ、レクチのモデリングで作られたソロの音作りについて、パラメータなどを詳しく教えて頂けないでしょうか?
    ちなみに、ギターはテレキャス、ピックアップはどちらもシングルです。

  2. かず

    すみません、動画で上げてくださっていましたね!

  3. まーかー Post author

    コメントどうもです!僕のはリアにハムバッカーが載っているので、シングルだと少し違うセッティングがいいかもしれませんね。PCと連結して細かく作り込んでいけば、答えはある程度絞られてくると思います。頑張って下さい。

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