Eric Johnson「Cliffs of Dover」奏法を研究する・その1

By | 2015年1月23日

数多いエレクトリックギターインスト曲の中でも、最高の人気を誇る一曲をいよいよ相手にしてみます。

エリック・ジョンソンという人は、ヴァイやイングヴェイなどと同じく、スタイルが唯一無二であり、ワンフレーズ聴いただけですぐに誰かわかる圧倒的個性を放っています。

その弾き方も相当に独特で、ペンタトニックの駆け上がり駆け下がりや素早いポジション移動、跳躍しまくるコードトーンのパッセージなど特徴的ではありますが、あまりに独特すぎて、演奏されているポジショニングまで特定するのはかなり難しいです。

上の動画は僕が弾いたものですが、一応これ基準で話を進めます。

本人のものとは全く違うポジションを使っている箇所もあると思いますが、ライブ動画をにらめっこしながらポジショニングまで完璧を求める気力はもはやなかったので、譜面が原曲とちょっと違ってても勘弁してください。

ちなみに、全譜面はこちら

導入部・その1

前曲「Ah via Musicom」からつながるフリーのソロ。エリックのスタイルがここに凝縮されているような箇所ですね。

導入部1

導入部1

ペンタトニックを使った速弾き。めちゃくちゃ速いわけではありませんが、右手をフルピッキングするのは至難です。これを飄々とフルピッキングしてしまうのがエリック・ジョンソンという人なわけですが、われわれ凡人には相当な業です。

ある程度ならプリングでごまかしてもいいとは思いますが、そうすればするほど音色感は原曲から離れていきます。ペンタトニックを弾く際に、可能な限り小指を使わずに、人・薬で対応するようにしておくと、速くなったときにも左手はついて行きやすくなりますね。

ちなみに出だしのチョーキングは1音上げてからさらにうわずっていっている感じを出すと、雰囲気が似てきます。

導入部・その2

導入部2

導入部2

これまたお決まりフレーズ。どこへ行っても誰とやっても、この人はこのフレーズを弾いてますので、ザ・EJリックと言ってしまっていいでしょう。

出てくるパターンは主に4つあります。コードトーンを弾いてるだけなので、仮想的なルート音を赤く薄く記してます。

01
マイナーコードの3rd-Root-5thを順番に。3度から始まってるのでわかりにくいですが、マイナーコードです。

02
G/Bみたいな形のコードを。こちらも上と同じく3-R-5で、上のもののメジャーバージョンです。

03
一番低い音をルートとしてm7thコードのような形。もちろんマイナーの響きがします。R-5-3のトライアド。

04
おなじく、一番低い音をルートとして7thコードのような形。こちらはメジャーの雰囲気。同じくR-5-3。

上の二つはルートではなく、3度はじまりなのがポイント。どれも普通のトライアドコードの展開系ではありますが、ギターでルートを省いた展開形は馴染みがないことが多く、ぱっと見ても瞬時に判別が付きにくいです。ピアノも達者なエリックならではのフレーズとも言えそう。

そういう事情から、これをアドリブに入れられるまで練習すると、コードトーンまでも指板上に見えてきて非常に良さそうですが、そのまま使うと特徴的すぎて誰のフレーズかまるわかりです。

導入部・その3

導入部3

導入部3

譜面では途中からになってしまってますが、1弦の特定音をペダルに使ったフレーズ。2,3弦の19fは本人薬指で弾いているようです。右手は中指を1弦、その他をピック、という俗に言うチキンピッキングになりますが、非常に速いのでよっぽど慣れないときついです。

ラストの5音ひとまとまりで連続下降するフレーズもよく出てきますが、これを16分音符で入れるのがEJ風。この部分はフリーテンポなので、はっきりとはわかりませんが。ここはさすがにフルピッキングがきついので、最初の2音だけは僕もプリングを挟んでます。

 

というわけで、この部分はフレーズにおいしいものが結構含まれているので、練習としては良い感じです。フリーテンポなので、リズムの練習にはなりませんが、ここを弾いてみるだけでエリック・ジョンソンという人のスタイルがある程度見えてくると思います。


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