Andy Timmons「Super ’70s」弾き方を解析する

Andy Timmons(アンディ・ティモンズ)のギターインスト代表曲「Super ’70s」。下記のベスト盤のみの収録ながら、すっかりファンにはおなじみの一曲となっていますが、今回はそんな一曲を取り上げます。

こちらは僕が弾いてみたもの。テンポも速く、所々落とし穴みたいに難しいところがあって苦労しましたよ…。

一応部分的に譜面を書き出しています。全譜面はこちら。

 

バッキング・トラック

この曲のカラオケはあまり落ちていません。あることにはあるのですが、打ち込み臭丸出しのセンスのないもの。

というわけで自分で作ってみました。ドラムはテンポの揺れからフィルに至るまでほぼ完コピ。ベースは自分で弾いているので、そこそこな出来になっています。使いたい人はこちらをどうぞ。

それではいってみましょう。

 

イントロリフ

イントロリフ
イントロリフ

この手のリフで意外に多いのが、5,6弦のルートがちゃんと鳴らせていないケース。僕の教室の生徒にも多いです。弾き方自体はマイケル・シェンカーの時代からある昔ながらのパターンなんですけど、5,6弦開放はミュートも掛けるので、その併用もあってけっこう難しいのです。

この後に続くGmaj7とFmaj7のコードトーン・フレーズはタイミングが全部ウラなので、聴いた以上にリズムが取りにくいです。しっかりオモテ拍を意識して弾くのがポイント。

 

Aメロ

どこからどこまでがAメロか謎ですが、7/8拍子のスローなセクションに入るまでをAメロとしておきます。イントロリフのち、冒頭のフレーズがこちら。

スクリーンショット 2016-03-22 20.15.06

相変わらずスライドが多くてリズムの取りにくいフレーズです。僕の弾いてるのもややヨレてますが。

出だしの16分フレーズを一息に弾いて、スピードに乗って行くような感覚を出せるとベストだと思います。赤で囲った部分の3連はアンディのお得意パターンですが、ここの3連をかっちり弾くと締まりが出てきますので、要注意ポイントでしょう。

 

スクリーンショット 2016-03-22 20.16.32

Cmaj7とEm7のストローク・アルペジオのインタールードの手前の部分。ここはこの曲でも最難箇所の一つです。ライヴ等をみても本人もちゃんと弾けてなかったりしますね。

最後のところ、普通なら全て薬指で行くんですが、僕は速さに対抗するために中指を併用して運指をやってます。それでもちょっと弾けてませんが。ここはほんまに難しいですね……。

 

7/8拍子セクション

この曲のハイライト。

7/8の入り部分
7/8の入り部分
PUをフロント側に変えて、ボリュームを絞ります。デクレッシェンドを書いてますが、この辺りで絞るのがいいでしょう。この後は右手の強弱が物を言いますので、基本はかなり弱く、たまに強くで、メリハリを効かせていくとかっこよく演奏出来ます。

 

一番リズムの取りにくい場所
一番リズムの取りにくい場所
ここが最もリズムの取りにくい場所。上段の流れるようなリズムのうらに7/8なので、どうしても迷子になりがちです。僕は赤丸の部分で小節の頭を意識して合わせていってます。

 

スクリーンショット 2016-03-22 20.20.01
アンディ・ティモンズのスタイルがよく出ている場所です。強弱の付き具合はここを聴くだけでもかなりよくわかります。半分カッティングに近いので、右手はオルタネイト・ピッキングを意識するのがよいかと。一応出だしの部分だけアップダウンを表記してます。

 

スクリーンショット 2016-03-22 20.21.01
タッピングの部分ですが、パターンが簡単なので、他の部分に比べると全然簡単です。ただ、音を詰め込んでいるので、終わった後にリズムが迷子になっていることが多いです。僕も若干ズレたあと、少し合わせにかかってます……。そうならないためには、タッピング終了後の場所をしっかり認識しておくことでしょうか。

 

この部分の練習には、メトロノームを7/8で鳴らしながらタイミングを覚えていくと結構掴めてきますので、難しいですが一度お試し下さい。本人のライヴのテイクを聴くと、歌うように自在にアドリブしています。普通じゃ無理ですわ……。

 

ラスト

ここまで来ればあと少しです。ステージの難所をクリアして、あとはひた走るだけといったところでしょうか。

今までの部分が出来た人なら、ここからは技術的には流して弾けるレベルですが、最後の最後に落とし穴があります。

最後のユニゾンリフ
最後のユニゾンリフ

この赤丸の場所は瞬間移動に近いので、油断しているとやられます。僕も録画中ここで1回やられました。ここまで来たのに……。移動地点を見定めてひょいっと行くと案外うまくいきますが、小指+ハイポジションなので、よくズレます。本人の映像を見ると、このフレーズは全部ダウンピッキングで弾いていますね。オールジャンルやる人ながら、やっぱりロックギタリストだなあと思わせられます。

 

というわけで

かつてヤングギターの付録DVDと巻末の楽譜を見てコピーしたこの曲ですが、久しぶりに丁寧にコピーし直してみました。今弾いてもいろいろ気付くところがあり、難しさも相変わらずです。

ちなみに、この号に載ってるアンディ特集もおすすめ。非常に良いことを言ってます。巻頭がヌーノってのもあって、この号は久しぶりにヤングギターを買った記憶があります。

当時はYouTubeもなく、教則ビデオでも見ない限り、間近で丁寧な演奏を見ることは叶わなかったので、あのDVDの衝撃はすごいものがありましたね。当時日本国内で今ほど有名ではなかったですが、大学のサークル仲間の何人もがDVDを見た後、アンディ・ティモンズのCDを買いに走りました。彼はあのDVDで日本のファンを5000人ぐらいは増やしたと思います(笑)

今やYouTubeに流れているそのDVDの映像を載せておきます。やはりアンディ・ティモンズ、尋常じゃない巧さです……。