激安ミニ真空管アンプ「JOYO banTamP」レビュー

卓上に置けるミニアンプが次々に出てきていますが、BognerやFriedmanなどのハイエンドメーカーに目もくれず試しに買ってみたのがJOYO。ブランド黎明期にはMad Proffessorとかのエフェクターのコピー品を山ほど出していましたが、いつの間にか真空管アンプなど作るようになったようですね。

内部に薄く光るのが真空管。

JOYO banTamPシリーズ

このシリーズは2017年頃には出てきていたようです。シリーズ共通の要素として、手のひらに乗るサイズで20W、2チャンネル仕様、真空管入りプリアンプを採用しセンドリターンまで付いている優れもの。Bluetoothで外部からのサウンドを流すことも可能。

うちではKemperの上に乗ってます。インプットにささってるのは2,000円のワイヤレス。

20Wなので、余程の爆音でなければスタジオでの練習にも耐える出力ですし、普通に持って行ける軽さです。

種類は結構出ているようですが、今回僕が買ったのはFirebrandというもの。元ネタはEngl Fireballということですが、このFirebrand、どうも国内ではすでに流通していないようです。他モデルではフットスイッチを挿す端子があったりするようなのですが、この辺のラインナップ展開はどうなってるんでしょうか。

背面。ここにFootswitch端子があるモデルもある

ともあれハイゲイン系であれば同タイプのZombie(Mesa Boogie系)やVIVO(Peavey 5150系)辺りが人気のようなので、気になった人はその辺をチェックしてみては。Firebrandも中古なら手に入ると思います。

サウンドレビュー

チキンを演奏したものをTwitterに上げました。

チキン久しぶりすぎて、コードを探りながら弾いてる箇所がところどころに…。

歪みはGood

感覚としては歪みは非常に良いです。元がEnglだけあって基本的な路線はメタリックですが、ブルージーなクランチ、ジューシーなリードの音まで全然作れます。もちろんメタリックな冷たくザクザクに歪んだ音は大得意。

広いゲイン幅と効きの良いトーンコントロールは狙った音に合わせやすく、いじり甲斐もあります。こういうときにレビューでよく書かれるピッキングダイナミクスとギターのボリュームへの追従も及第点だと思います。

クリーンは微妙

とまあ歪みは良いのですがクリーンはお世辞にも良いとは言えません。妙なこもりが取り切れず、なんだか歯切れの悪いサウンドになります。ジャジーで上品なこもり感とも違い、どうにも安っぽいです。アルペジオなんかは絶望的です。

一応出るレベルのクリーン

あと歪みとクリーンの音量差が結構あるので、単純なチャンネル切替では実戦で使えません。フットスイッチがあっても一緒ですな。何というか”クリーンも一応出るよ”という感じが否めません。ただしこの辺は他のモデルでは改善が見られてる可能性もあります。

まとめ

歪みをメインに使うのであればアリかなあと思います。僕も基本的に歪んだ音ばかり弾いてるタイプのプレイヤーなので、結局日常の練習には一番使っていますね。値段も新品で2万前後、中古なら1万円台前半から、運が良ければ1万を切るものまであります。

家での練習にはキャビネットが別途必要なので、これだけは用意する必要がありますが、Hughes & KettnerのTubemeister 110 Cabや、VOX 112、さらに小さい108なんかでもありでしょう。小さいものに繋ぐ場合、許容入力をオーバーしないように。