(コーヒーブレイク)おすすめアルバム

この手の音楽に首を突っ込んでいくと、そういうギタリストのアルバムを色々研究することになります。ここでは管理人まーかーのおすすめと称して、僕自身もよく聴き込んだり研究したアルバムを紹介します。ちなみに、下の方ではジャズのアルバムも紹介していますが、そちらに馴染みがない方もぜひぜひ見てください。

CDアルバムは売れない順から廃盤になっており、MP3バージョンしか手に入らなさそうなものは、そちらのリンクを貼っています。

 

Andy Timmons / That Was Then,This Is Now

アンディ・ティモンズのベスト盤。今となっては昔のアルバムですが、インストだけが選ばれているので、ギター好きにはたまらない選曲です。冒頭のSuper 70’sをヤングギターで見て、このアルバムを買いに走った人は多いんじゃないでしょうか(笑) もともと既存のロック的音列をベースにしたプレイをする人なので、かなりとっつきやすいフレーズが多いのですが、実際にコピーすると、普通のペンタトニックでも横移動が多かったり、うまく三度の音を生かしている曲があったり、かなり凝った流れになっているのがわかります。演奏に機械的なところが全くなく、うまい人に非常に人気があるのもうなずけます。

ちなみに、これと同じぐらいおすすめなのが「Spoken and the Unspoken」。こちらは、歌モノとインストが半々なアルバム。ギタリストにありがちな、下手なのに「ただ歌ってみました」という感じではなく、楽曲が良いので、聴き応えがあります。インストも良質なのが揃っており、二枚まとめて揃えたいところ。

 

Richie Kotzen & Greg Howe / Tilt

さて、こっちはうってかわって、いわゆる超絶ギターを地で行くアルバム。二人の個性がギタープレイのみならず、曲にさえあらわれています。グレッグ・ハウのプレイはコンディミからホールトーンまで、ありとあらゆるものが登場し、特に研究し甲斐があります。とはいえ、難しすぎて弾けないものの方が多いぐらいなので、ある程度のフレーズを蓄えて、自分のものにするには長い時間がかかります。それに対して、リッチーの方は超高速なのを除けば、基本的にペンタからドリアンでわかりやすく、ここの講座で説明している内容に近いプレイをしています。

本作は一枚目にあたり、二枚目に「Project」というのがありますが、曲の質が落ちており、本作ほどのインパクトはありません。が、ギタープレイは相変わらずなので、Tiltで気に入った方なら満足できるんじゃないでしょうか。

 

Dixie Dregs / California Screamin’

MP3ダウンロード版
California Screamin’

スティーブ・モーズがギターを弾く、プログレ系インストバンドのライブ盤。ロックインスト系にバイオリンがいるという変則編成ですが、楽曲はかなりわかりやすく、曲もかっこいいのがそろっており、聴いていて楽しい一枚です。超絶バイオリンと絡むスティーブ・モーズのギターは、特徴あるクロマチックの音使いに尽きますが、いわゆるハードロックトーンで、こんなにクロマチックを流れるように入れる人もあまりいないので、はっとさせられる瞬間がいくつもあります。

スティーブ・モーズは個人的に聴くだけで研究してこなかった人でもありますので、今後研究していきたいギタリストの一人です。

 

Frank Gambale / Passages
フランク・ギャンバレと言えば、ものすごいスウィープを連射する人というイメージがこびりついていますが、実際にはコードに合わせた音使いや、曲を書く能力も相当高い能力を持っている人です。このアルバムでも弾きまくるスウィープは聴けますが、それよりも普通のペンタトニック主体のブルージーなプレイの中にとっさに入ってくる凝った音使いや、とんでもない正確なリズムの部分を見逃さずに聴いておきたいところです。

なにせキャリアが長い人なので、アルバムは多いですが、このアルバムが一番曲とプレイのバランスが取れているような気がします。ロックファンからはもっぱら「Great Explorers」が人気です。こちらはサウンドがチープすぎるのが否めませんが、単純にギターで判断すると、確かに一番エッヂが効いており、聴きやすいので、こちらから入るのもおすすめです。

 

Vital Tech Tones / Vital Tech Tones

スコット・ヘンダーソンとヴィクター・ウッテン、そしてスティーヴ・スミスが合体した最強ユニットの一枚目。コレ系のジャムバンドのアルバムばかり出しているTone Centerレーベルの中でも、かなり昔のアルバムに当たります。

超絶ユニットならではの理解不能なアルバムというわけではなく、十分に聴いていてかっこいいと思えるバランスを保っている一枚で、スコヘンのギターもTribal Techほど理解不能でもなく、後にリリースしている「Dog Party」あたりの本気ブルースアルバムほどブルース過ぎるわけでもなく、ちょうどいいところです。特に2曲目「Snake Soda」のイントロは一人で3役をこなすヴィクター・ウッテンのベースとも絡んで、もの凄い存在感となっています。

ちなみに企画ユニットなのかと思いきや、ちゃっかり2ndを出しています。「VTT2」というそのままの名前ですが、本作を気に入った方なら、買って後悔はしないでしょう。

 


John Scofield / Loud Jazz

ジョン・スコフィールドの最も聴きやすいであろうと思われるアルバム。ジョンスコ特有の調性感の希薄な雰囲気はあまりなく、かなりオーソドックスな楽曲が顔を並べています。とはいえ、後半に収録された「Otay」等は典型的ジョンスコ節で、曲自体もさることながら、ギタープレイにおいてもスケールアウトの達人ぶりが遺憾なく発揮されています。サウンドは若干時代を感じるフュージョン仕様ですが、前述のように曲はポップなものが多く、ギターのトーンやフレーズには相変わらずの個性が出ており、ジャズロック系初心者にも安心しておすすめできます。

ジョンスコと言えば、スケールアウトの参考書がごときライブ盤「Pick Hits Live」というのがあり、これを代表作とするのもかつては典型でしたが、最近ではブルース志向を強めていて、まだまだ面白いプレイを聴かせてくれそうですね。

 

Mike Stern / Play

このアルバム、マイク・スターンの他のアルバムと比べても楽曲のバリエーションが豊かです。ゲストにジョン・スコフィールドやビル・フリゼールが参加しているところも、ギタリストにとっては嬉しいところ。マイク・スターンといえば、ジョンスコに比べてもずっと普通のジャズをやる人です。ので、スケール主体にソロを考える向きにはそんなに参考になるところはないかもしれません。ただ「Link」等でのワンコードにおけるソロは、ちょっとロック畑の人間には思いも付かないシロモノであり、ギタリストなら誰でも一聴に値すると思います。

ちなみに、マイク・スターンもちゃんと研究したことがないので、一度研究しておきたいとは思っていますが、僕自身もジャズは専門でもないので、なかなか苦労しそうです。ついでにいうと、非常に美しいバラードを作るのもこの人の特徴。

 

Wes Montgomery / Incredible Jazz Guitar
最後はガチのJAZZ。ジャズギターの最初の一枚としてジョー・パスの「Virtuoso」を挙げるのはいまさらナンセンスであろうと思います。あれは最高にわかりにくい一枚です。大ジャズギタリスト、ウェス・モンゴメリーはやはりこの一枚じゃないかと思います。あんまりビバップ的な教科書的音使いでもないのに、誰よりもジャズを感じさせ、もの凄いスピード感でもってソロをたたみかけるのは、さすがに歴史に名を残しているだけあります。

このアルバムとともにウィントン・ケリーと共演している「Smokin at the Half Note」もよく聴いた一枚。ジャズを聴きたいが、何か最初に一枚と思っている人にはぜひぜひこれをおすすめします。