講座のいちばん最初に置いてある僕の音源を聴くと、随所にスウィープが入ってることに気付かれると思います。「あんなもんドリアンと関係あるのか?」と思われる方もいると思いますが、かなり密接に関わっています。


なお、ここから先に紹介するコードアルペジオ的なフレーズを、僕は狙ったようにスウィープで速弾きしていますが、一般的にはアルペジオ的音列を、とってつけた速弾きに使うのではなく流麗にフレーズに溶け込ます、という使い方がベストとされることが多いです。つまり、これらのコードアルペジオ的音列は速弾きに使うのではなく、あくまでそれ風なフレージングを弾くための一つの道具として身につけることが重要です。


まぁ、かといって、僕が音源でやっているように、ここぞと言うときに速弾きを出すためのスペシャルなものとして捉えても決して間違いではないと思うので、速弾きが好きな人は、じゃんじゃんスウィープで入れてしまえば良いと思います。特にハードロックギタリストは誰だってスウィープしたくなるに決まってます。僕も例外に漏れず、この音源を弾くときにも、わざわざそういう入れ方をしたぐらいなので…。ただ、どう使うにしろ、ここでコードに関してある程度の知識を付けておけば、後々役に立つだろうとは思います。
それではいきましょう。





↑Aドリアンスケール


AドリアンスケールはAナチュラルマイナーの6thを半音上げたものですので、楽譜上に表すとこうなります。また、コードはこの中から任意の音を選び、それの上に3度ずつ(一音おきに)推積することによって作られます。





それによってAドリアンスケール上に作られるコードが以下です。


Am7 - Bm7 - Cmaj7 - D7 - Em7 - F#m7b5 - Gmaj7


さて、これらのコードがもともとドリアンスケール内の音から作られている都合上、これらのコードトーンのどれを弾いても、結局はドリアンスケールを弾くことになります。特にAm7一発という場合、その上にCmaj7やD7のコードトーンを乗せることによって、スケール音を弾いているにも関わらず、バックのコードと違う響きをフロントで醸し出すことが出来、浮遊感のある独特のソロを取ることが出来ます。その上、アドリブで容易に様々なコードのスウィープアルペジオが使えるというのも、速弾き派にはうれしいところです。


さて、それではコードトーンを指板上で確認してみます。


6弦ルート
←maj7 ←m7
←7 ←m7b5


5弦ルート
←maj7 ←m7
←7 ←m7b5


赤丸がルートなので、Cmaj7の場合、D7の場合、と、適当に練習してみてください。コードトーンを練習する際にはいろいろな運指方法やポジショニングがたくさんありますが、上記は僕がよく使う形を挙げたに過ぎないので、自分でやりやすい方法などを模索してみてください。とくに、各コードトーンをCやDに特化して覚えるのでなく、こういうフォームとして、形を覚えるようにしてください。その上で、ドリアン上に成立するコードを「Cmaj7=IVmaj7」「D7=V7」というように、ローマ字で整理していくと、様々なkeyにも対応出来るため、便利です。ちなみに、もっとも使用頻度の高いのがIVmaj7、その次にV7、IIIm7、VIm7あたりがきます。この中でも僕はm7b5は使ったことがありません。


なお、実際のフレーズに入れていく場合、とくに1〜3弦上のフォームが極めて重要となってきます。というのも、5弦以上に渡るアルペジオは、無理やり入れなければキレイには収まらず、とってつけたような違和感が生じることが多いからです。1〜3弦上の各コードトーンのフォームを身につけていると、後々役に立ちます。




※イングヴェイ・マルムスティーンを元祖とするロック系のキメ技としてのスウィープは、トライアド(3和音)が圧倒的に多いです。だから、たとえばAmコードでスウィープを連射するだけで、ネオクラシカル系そのものになります。これではフレーズはどうしてもキメ技的になり、いろいろなジャンルに対応することも困難になります。そこで、AmをAm7という4和音にすることによって、m7の音が加わり、インテレクチュアルな響きに生まれ変わります。無論、一音増えることで運指は複雑になり、トライアド並みのスピードで連射することは出来ませんが、応用も効かせやすくなります。