コードアルペジオ in アドリブ

コードアルペジオを使うための前置き

ソロにコードアルペジオをぶち込む!ロック系のサウンドではなかなかお目(耳?)にかかることの少ないサウンド。これだけで、ソロの雰囲気をがらっと変える威力があります。ちなみに、ここで紹介するのは、イングヴェイ以降のスウィープアルペジオの響きとはちょっと違う響きの4和音アルペジオです。

ここから先に紹介するコードアルペジオ的なフレーズを、僕は狙ったようにスウィープで速弾きしていますが、実際にはアルペジオ的音列を、とってつけた速弾きに使うのではなくて流麗にフレーズに溶け込ます、というのがちょこっと知的でクールなサウンドを奏でる秘訣です。

つまり、これらのコードアルペジオ的音列は速弾きに使うのではなく、あくまでそれ風なフレージングを弾くための一つの道具として身につけることが重要です…

…と言いたいところなのですが、速弾きロック出身の人であれば、ばんばん決め技は連発したいのが性。速弾きが好きで、かつ演奏出来る能力がある人は、じゃんじゃんスウィープで入れてしまいましょう。なかなか半端じゃない演奏能力が要りますが…。

僕も例外に漏れず、よくライブでばかばかぶち込んでは、弾けないまま観客のお耳を汚してしまうことも多々…。

とまあ、それはいいとして、どう使うにしろ、ここでコードに関してある程度の知識を付けておけば、後々役に立つだろうとは思います。
それではいきましょう。

 

ドリアンスケールより導き出される4和音


↑Aドリアンスケール

AドリアンスケールはAナチュラルマイナーの6thを半音上げたものですので、楽譜上に表すとこうなります。
前章から直接来た方は、C#からAに戻ってるのでご注意。

また、コードはこのスケールの中からルート音を選び、それの上に3度ずつ(1音おきに)推積することによって作られます。

音を3つ重ねるコードをトライアド(3和音)、4つ重ねるのを4和音といいますが、
ここで使うのは4和音。Aドリアンスケール上に作られる4和音コードを書いておきます。

Am7 – Bm7 – Cmaj7 – D7 – Em7 – F#m7b5 – Gmaj7

さて、これらのコードはもともとドリアンスケール内の音から作られています。都合上、これらのコードトーンのどれを弾いても、結局はドリアンスケールを弾くことになります。

しかし、たとえばAm7一発という場合、その上にCmaj7やD7やGmaj7のコードトーンを乗せることによって、もともとはAドリアンスケールから選び出した音を弾いているにも関わらず、バックのコードと違う響きをフロントで醸し出すことが出来て、浮遊感のある独特のソロを取ることができます。

その上、冒頭の話みたいに、アドリブでコードのスウィープアルペジオがあちこち使えるというのもうれしいところです。

 

4和音を指板図で確認しよう

さてさて、それではコードトーンを指板上で確認してみます。

6弦ルート
←maj7 ←m7

←7 ←m7b5

5弦ルート
←maj7 ←m7

←7 ←m7b5

赤丸がルートなので、Cmaj7の場合、D7の場合、と、適当に練習してみてください。コードトーンを練習する際にはいろいろな運指方法やポジショニングがあります。上記は僕がよく使う形です。これ以外の形でも自分が弾きやすければもちろん可です。

各コードトーンはこういうフォームとして、形を覚えるようにしてください。とくにmaj7は使用率が高いので、そこから覚えていくといいと思います。バックのコードがAm7であれば、Cmaj7とGmaj7。この二つを上記から探してきて形を丸暗記、そのあとAm7バックの上でソロとしてそれをぶち込む練習をする、僕はそればかりやってました。そのうちAドリアンスケールの中で、どの辺にCmaj7やGmaj7のコードトーンが位置するのか、見えてくるようになります。一度見えればしめたもの。ギターの特性である「平行移動」をフルに生かして、anyKey OK!となります。

ちなみに、もっとも使用頻度の高いのがIVmaj7、その次にV7、IIIm7、VIm7あたりがきます。この中でも僕はm7b5は使ったことがありません。

※イングヴェイ・マルムスティーンを元祖とするロック系のキメ技としてのスウィープは、トライアド(3和音)が圧倒的に多いです。だから、たとえばAmコードでスウィープを連射するだけで、ネオクラシカル系そのものになります。これではフレーズはどうしてもキメ技的になり、アドリブで色んなところでうまく挟み込むというのが難しくなります。そこで、AmをAm7という4和音にすることによって、m7の音が加わり、やや柔らかい響きに生まれ変わります。ただ、一音増えることで運指は複雑になり、トライアド並みのスピードでなかなか連射することは出来ませんが、応用も効かせやすくなります。