実際にアドリブにコードアルペジオを入れてみる
コードアルペジオを使った具体的なフレージングをいくつか紹介していきます。
keyがC#mあるいは、Cmになってます。IVmaj7はそれぞれEmaj7(key in C#minor)、Ebmaj7(key in Cminor)。前章で言ったとおりコードネームで覚えるよりは、ドリアンスケールのフォームの中で、IVmaj7がどこに位置するかを丸暗記した方が早いです。
(p1 3段目 0:12〜)
2拍目の3弦9f→8fから4,5弦と渡っていく。G#m7(VIm7)のコードトーンと捉えられます。実際、僕もそのつもりで弾いてます。
(p1 2段目 0:07〜)
3弦13fから1弦11fにかけてのミニスウィープ。このぐらいなら嫌味にもならず、テクニック的にもかんたんにものにできます。上同様G#m7とも捉えられるし、Emaj7(IVmaj7)の一部と捉えることもできます。
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右側がVIm7のコードトーン。上の2つの譜例ではこの一部分を使ってます。
(p3 1,2段目 0:40〜 key in C minor)
こちらは2カ所において連続でアルペジオを出しています。とくに一回目は特大で、決め技感が漂いますが、やってることは基本的にmaj7のアルペジオ。
1段目の最後の6連符から開始されまして、Ebmaj7に9th(3弦10f)を加えたスウィープで上がってのち、別のポジションでEbmaj7を下降します(2段目最後、1弦10fからの下降スウィープ)。maj7に9thを加えるのはリッチー・コッツェンの真似です。教則本に載ってたのをまんま拝借させてもらってます。ちなみに、この部分はバックがC#m7からCm7になってるので、IVmaj7もEからE♭になっています。
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右側画像の道筋。へんてこな運指なので弾くのも結構大変です。9thが入ってるのがポイントで、これを除いて普通のmaj7にすると、余計に弾きにくくなります。
(p4 3段目 0:59〜)
ラストのやけくそ部分。G#m7のアルペジオをそのままスウィープしているだけというのが、譜面を見るとわかると思います。その後にタッピングなんかが入ってますが、この部分だけはトライアドのスウィープを練習してきた方なら、わりとすぐ弾けると思います。3弦8fから11fへのスライドが肝でしょうか。この運指は上で出てきた指使いそのものです。
とりあえずの手始めに
さてさて、ここに挙がるのはどうしてもやたらと複雑で速いパッセージばかりになってしまってるので、手始めに導入しやすい部分を解説しておきます。
まずは一番最初に上げた譜例2つ。これは動きも小さく場所も見えやすいので、わりとすぐに自分のアドリブに活かせる箇所です。
そして、つぎにIVmaj7のコードトーン。ドリアンを使う際に一番好まれるものですので、手癖的にいくつか覚えてここから始めるといいと思います。。9thまじりの特大スウィープの箇所ではなく、もう少しこぢんまりとした部分を使いましょう。3つめの譜面で出てきた、下降部分ですね。
赤い丸がIVmaj7のポジションですが、このように6弦ルートフォームに近接していて非常に使いやすいです。このような部分をうまく利用すれば、あまりあちこち横に動き回らなくても、頭の良さそうなソロを弾くことが出来ます。
そして最後にこれ。
(p2 1段目 0:22〜)
こちらは一応コードトーンですが、今までの4和音とはちがい、トライアドです。でもトライアドを弾きながら上へ上がっていってます。一応ここのポジションにコードをつけることもできますが、僕としては、スケールをコードみたいに分割して弾いてるイメージです。
この譜面では横移動してるので難しそうですが、縦移動であれば、スケールのポジショニングをしっかり覚えればわりとすぐ出来ますので、一度試してみてください。
こんな感じです。
ポイントはかならずAmの響きを頭に残したまま弾くこと。この手のフレーズはそうしないと、弾いてる自分のフレーズに引っぱられて、コード感が自分でもわからなくなりがちです。これはよく見ると普通のAドリアンのポジションなのですが、まるでスケールとは別物のように響いてきます。
こういう手法はひとつ手癖にしておくと、そこからの発展もできてかなり使えます。考え方はわりと単純なので、人のフレーズを借用するより、自分で作り出した方が楽に覚えられていいかも。色んな場面でかっこよく彩れるので、おすすめのやり方です。