さて、苦労を重ねてチェスケー・ブジェヨヴィツェからプラハに戻って一泊、その次の朝から一日半、またプラハ滞在です。とりあえず一日目に行ってないところに行こうということで、真っ先に城に向かいました。
城の近くに泊まってたお陰で、歩いてすいすい行けます。上り坂がきついですが。
途中、みやげ物屋が濫立する通りを歩き、教会コンサートの勧誘に会い、ぐんぐん進んでいきます。この辺はもともと職業を表す看板がつり下げられてます。どれも個性溢れるので、みてるだけで楽しい通り。
上り坂を車に負けず、ぐんぐん歩きます。それにしても車が多い。京都とそんなに変わらないぐらいじゃなかろうか。
城の前は人でごった返していました。最大のハイライトである聖ヴィート大聖堂は圧倒的。100m超えの石積み建築は天まで届かんとするばかり。ただ、外も中も人だらけ。
内部に至っては満員電車レベルなので、到底ゆっくり見れたものでもなく、さっさと退散します。城内部の見学にはツアー参加が必須というのもあって、個人的にはプラハ城はさらっと見て回っただけでした。
それにしても水も高いし、トイレも高いし、黄金の小路も結構な額をとる。名所ががめついのは万国共通。
丘からの景色は素晴らしかったです。
そのまま緩やかな坂を下り、下界まで降り立ちます。そのまま旧市街をふらついて、入った店でコーラとスパゲティを注文。全くヨーロッパの料理はもう一つです。口に合わないだけなのか、はたまた単純に日本食の方がうまいのか…。
そのまま川沿いでボートトリップの黒人のお兄さんにつかまって、ヴルタヴァ川リバークルーズというのに出発。兄さんの英語解説、紅茶とアイスクリーム付き。確か日本円にして1200円ぐらいだったかな。小さい目の船で、オランダから来たおばさんたちと同乗。川からみるプラハはまた趣が違います。惜しむらくは、何故かこの日は水が非常に汚かったのです。僕らがチェスキー・クルムロフにいる間、大雨でも降ったんだろうか。
川の本流は巨大ですが、入り組んでる水路を通ったりもします。リバークルーズは山ほどあるみたいで、客引きがすぐに声を掛けてきます。船も大きいのから小さいのまであります。夜にジャズを演奏してるJAZZ BOATなんてのもあるみたいなので、好きなのを選んで乗ればいいんじゃないでしょうか。
そののちは少し新市街の方に足を伸ばしますが、くたびれてしまって、ダンシングビルを見たぐらいで終わってしまいました。
本で見ても、生で見ても「変な形やなあ」という感じ。この周りはこのビルがあるだけで、普通の通りです。
さてさて、一旦ホテルに戻り、小休止したところで、夜景を見に繰り出します。良い感じに夜も更けてきたので、トラムに乗ってUjezdという停留所まで。落書きだらけの公園を登っていき、ケーブルカーに乗ります。
ペトシーン公園という、丘の上に整備された公園。タワーがあり、その上からプラハを俯瞰できます。地元民というか、見た感じティーンエイジャーのカップルがほとんど。デートスポットなんでしょうね。
ペトシーンの公園はともかく、塔ははっきり言ってあまり趣がありません。RPGゲームで出てくる、妙に存在感のある不気味な建物、って感じ。監獄に連れて行かれるんじゃないかと思わせられる、機械的雰囲気まるだしのエレベーターが旧東欧国を彷彿させます。
そんな塔内部のエレベーターで一番上まで登って、見た夜景は素晴らしかったです。
城がはっきりと見渡せる俯瞰図はこの公園ぐらいじゃないでしょうか。市庁舎の塔は登り忘れてしまったんですが、そちらは旧市街目の前なので、また違った雰囲気なんだろうと思います。この公園は一歩距離を置いて街を見渡しているので、川の蛇行具合なんかも見てとることができます。
帰りは来た道と同じ道を通り、トラムの停留所まで。来るときは夕暮れでしたが、帰りは暮れてしまって真っ暗でした。
次の日。朝起きたらホテルをチェックアウト。兄ちゃんが電話でだらだらとしゃべっていて手続きまで15分ぐらい待たされました…。荷物を預けたらプラハ城の下に広がる広大な庭園を散策します。午前中というのもあってか、人はほとんどいません。子連れの若い母親とすれ違ったぐらいかな…。
庭園は細長く路地が作ってあって、迷路みたいになってます。歩いても歩いても先に道が広がっていき、面白い空間です。赤煉瓦と白い壁で構築された迷路はまるで絵本。上に登るほどプラハが俯瞰できます。
最上部から降りてくるとショパンが聞こえてきました。
その足でホテルに戻り、タクシーで空港まで行きます。
帰りのタクシーの中では、プラハの居住区の中を走り抜けていきます。人口100万の都市とはいえ、日本のメガロポリスに比べると実に小さなもの。どうにも日本の諸都市はのんびりする場所が少なすぎるなあ、とかおもいながら車窓からの光景に目を走らせます。車内のラジオから鳴っていたABBAのダンシング・クイーン、風景にマッチしないことこの上ない。やっぱり中欧に北欧の音楽は合わんのか…。
5泊6日のチェコ・ツアー。たったの3箇所しか行ってませんが、到底5泊では足りませんでした。
美しかったり、かっこよかったり、可愛かったり…、無数の建築物と、緑あふれる場所が見事に融合しているところが、やはりヨーロッパの他の国からの支持を集める理由なのでしょうか。日本では考えられないものをたくさん見せてもらった1週間だったと思います。
チェコ共和国よ、また会う日まで!