さて、スロヴェニア2日目。この日は世界遺産にも認定されているシュコツィヤン鍾乳洞へ行くつもりでした。…が、なんとホテルの従業員が朝食時に起きてこないという、なかなか巡り会わないトラブルに遭遇しまして、僕ら含め、他の客も「やれやれ…」といった表情。
やむなく朝食を食わずにリュブリャナの街へ飛び出し、パン屋で少し買って、そのまま路地に座り込んで食を摂りました。このトラブルにより1時間ほどロスをした結果、シュコツィヤン駅前のミニバスの時間帯に恐らく間に合うまい、ということになって、より首都に近いポストイナに変更しました。
鉄道でポストイナの街へ
ポストイナはシュコツィヤンと比べて、距離も近く、本数もそこそこあります。落書きだらけのバス、といった様相の小さいローカル車両に乗り込んで、揺られること一時間半ほど。途中はひたすら田舎の山の中を通ります。時折見える小さい街が微笑ましい風景となって立ち現れます。
ポストイナはその中でもかなり何もない駅。なんせのどかと言うより単なる田舎の雰囲気ですが、そんな田舎町のシンボルがやはり洞窟であるようで、街中は色んなところが洞窟だらけです。タクシーが近くに停まり「ドークツ?シロ?」と片言の日本語で問うてきます。こんなところまで鉄道で来る日本人がそれなりにいるらしいところにも驚きです。今回はこちら貧乏旅行者なのでNo thank youで行ってもらいました。城というのは洞窟城のことでしょう。崖にへばりついた城は鍾乳洞とセットでガイドブックにも載ってます。確かに足があれば行きたいところですが。
ポストイナ鍾乳洞まで歩く
さてさて、ポストイナから洞窟まではかなり歩きます。余裕で2、30分は歩いたんじゃないでしょうか。前を進む女性の二人組に着いていきます。途中小さめの広場が見えるところでやや迷いますが、それ以外は基本的に一本道であまり迷うことは無いと思います。途中からはこんな看板もあって、行きやすいです。
洞窟に到着すると、僕らの想像を完全に裏切って、もはや一大テーマパークの様相を呈しています。洞窟の前には土産物屋や喫茶店、レストランが軒を連ね、駐車場には大型バスが何台も。ここまで来ると急に日本人が増えました。ツアーで大型バスに乗ってきているっぽいです。
日本語ガイドを借りて、洞窟内部へと進入していきます。
迫力満点の鍾乳洞
洞窟は最初ジェットコースターみたいなトロッコで一気に駆け抜けます。これが結構速いんですが、見たことのない景色が次々に現れては消えていき、なかなか楽しいです。さすがにヨーロッパ最大級の洞窟だけあり、内部の広大さはかなりのもの。
続いて一時間半ほど歩くのですが、ガイドの人に従って行きます。言語で班を分けているようで、僕らは英語組。写真撮影禁止ですが、あまり守ってる人はいません。ガイドの人も何も言いませんでした。ここらへん人によるみたいですね。借りた音声ガイドは日本語もあるので、実にわかりやすいツアーです。
それにしても、内部は自然の神秘に満ちており、想像でしか知らない鍾乳洞の雰囲気を肌で味わうことができて、価値のあるひとときでした。ゲームとかで鍾乳洞はよく登場しますが、知ってるつもりと実際に歩いてみるのではえらい違いです。
ツアー終了場所には土産物屋がある広大なフロアがあり、演奏会も催されるとのこと。たしかにこんな自然のリバーブ掛かりまくりなところで演奏したら、さぞかし気持ちよいことでしょう。
さて、長く続いたツアーも終了、地上には再びトロッコで。内部は一年通じて12℃ほどらしく、冬場以外であれば、やや厚着するのが賢明です。
地上に出ると非常にまぶしいので、探索を終えて洞窟から出てきた勇者たちの気持ちが少し分かります。
リュブリャナへ帰還…
散々歩いてだいぶ疲労しているのに、駅まで戻らねばならないので、また来た道を引き返す必要があります。しかも帰りは登りになっており、使う体力も二倍です。
ひいこら言いながらたどり着いたポストイナ駅。内部は来たとき以上に閑散としており、駅員もいません。そして一番びっくりしたのが、時刻表。
なんと次のリュブリャナ行きまで二時間半もあります。
愕然としつつも「何も無い」を地で行ってる田舎町ゆえに、外ですることも特になく、駅の中でいままで撮った写真を見ながら暇を潰しました。ここに行く人には、行き帰りの電車あるいはバスの時間を正確にチェックしておくことを強くおすすめしときます。
結局ほぼ真っ暗になってから来た電車に乗り、切符は車内で購入しました。そのまま夜の更けたリュブリャナに到着すると、結局タクシーでホテルに帰ったのはいうまでもありません。