アコースティックギターで弾くソロギターの譜面は世の中に無数に出ています。が、簡単なものならコードの知識さえあれば自分で作れます。
とりあえずこれを見ていただくとして。
誰でも知ってるカーペンターズの超有名曲ですが、ソロギターのアレンジは全て自分でやってます。これを題材にしていきます。
まずはキーを決める
歌ものの場合、大体ギターでは弾きにくいキーのことが多いので、キーを変えます。メロディラインの音域を軸に考えると分かりやすいです。あとはコードを一緒に弾いてみて、弾きやすいかどうかも重要。ドロップDに慣れた人は、それを踏まえるとレギュラーチューニングとは最適なキーが変わってくるかもしれません。カポの使用も積極的に考えると良いです。たとえば原曲のキーがEbの場合、カポを3fに付けると、原曲の高さは変えないままキーCと同じように扱えます。
今回はキーGにすることにしました。一番高い音がややきついですが、他の部分はギター的に弾きやすい音域です。
下の画像がキーをGにしてコードと一緒に併記したもの。
Bメロからサビにおけるコード進行はさすがの一言。必要なところでは徹底的に複雑な進行も使い、サビの一番有名な箇所はコード2つだけにして、一聴して覚えられる響きに。メロディが美しいからこそできる、素晴らしいコード進行だと思います。
※実際には2段目Bm7とAm7の間にE7があるようです。後で気付いたのですが、すでにアレンジ、録音終了後だったので、とりあえずはこのままいきます。
とはいうものの、どうアレンジするのかは自分次第、出来るならばこの最初の段階でコードアレンジも一緒に行います。この部分の作業は曲調の方向性を決めるためにかなり重要なプロセスです。
今回は上のコメントにもあるように、原曲の雰囲気を出来るだけそのままやっているので、コードもほぼ変えていないですが、ツーファイブ進行や裏コードなどを積極的に利用してジャズ、ボサノヴァ系を意識させることもできます。
この辺りはうちのブログの「コード進行を科学する」というシリーズでも細かく解析してますが、やってみたいけどわからない、という人にはこの本がおすすめです。
作曲のための本と銘打たれてはいますが、実質コード進行のアレンジ部分に割くページ数がかなりの量になるので、コード進行を理解するのに非常に有意義な一冊です。
低音(ベース音)を入れる
メロディとコードだけを書いた譜面にベース音を追記します。ベース音は曲の軸足を担うため、非常に重要なパート。基本的にはコードのルートを追って配置すればOK。経過音を入れても良いですが、この時点ではシンプルにしておいた方がいいかも。
前半部分
Aメロの低音部は2分音符基準で、規則正しく打つようなリズムにしています。この曲はどバラードなので、Aメロは全音符でも良いぐらいかもしれませんが、この辺はアレンジする人次第。勿論、低音の数が多いほど弾くのは難しくなります。
後半部分
ベース音は低音を聴かせるというのと、リズムを決定するという重要な意味合いがあります。[C]サビは 付点4分→8分→2分 という音価で雰囲気を変えています。このリズムは前へと進む力が強く聞こえます。
この辺は次回の内声を入れるところで詳しく解説しますね。
ここまででメロディとベース音だけの譜面が出来ているわけですが、骨格が完成したというところでしょうか。実際に弾いてもらえるとわかりますが、これだけでも結構それっぽく聞こえます。
この後にコードの内声部分をつけて、肉付けしていきます。スポンジケーキにクリームや果物を乗せる段階ですね。