ライヴでの譜面台の是非について

最近、ミュージシャンの知り合いがFacebook上で拡散しているブログ記事に、八幡謙介というギター講師の「ジャズに人が集まらない理由」というのがある。

ブログ内でシリーズ化しててすでに20近いエントリがあるので、よくもネタが尽きないものだなあ、と思わせられるが、実際読んでみたところ「確かになあ…」と思う部分も多々ある。その中に「譜面とにらめっこは客から見てどうなのか」という問いかけがある。

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僕が個人的にこだわっている点として、「ライブ中に譜面を見ない」というのがある。本番まで何の曲をやるのかわからないような状況でそれは不可能だが、自分のリーダーバンドやユニットがやるライブで譜面とにらめっこはかっこ悪いと思っている。かっこ悪い上に、せっかく見に来てくれた客を置いてけぼりにするような感覚があるので、確実に覚えて本番に臨むというのが個人的なスタンスである。

まぁ、これは自分がハードロック系に根ざした演奏スタイルなので、譜面を見ながら弾くのが合わないという、単純な個人的趣向の問題もある。

どうも日本のミュージシャン世界では不思議と「譜面は見て当たり前」という雰囲気がある。まぁ、こんなものは日本に限らないのかもしれないが、外国人の来日公演をビルボードまで見に行って彼らが譜面を見ていたことはほぼ無く、逆に日本人の公演では割と見ていることが多い、という経験があるので、そう感じてしまうだけのこと。ライブは完璧な演奏をするのが目的ではなく、客を楽しませるのが目的なのではないのか。というかそもそも、譜面が無いとまともな演奏が出来ません、というのはどうだろう。

特にジャズのライブではボーカルが譜面台に置いた譜面をめくりながら「次何しようかなあ」とかほざいている場面にたまに出くわすが、人から金を取っているという感覚がなさ過ぎるんじゃないかと思う。たとえノーチャージだって飲み代と交通費ぐらいは払ってるわけだし、何よりその人の大切な時間を頂いていることを忘れてはならない。音楽は絵画鑑賞と違って自分で終わらせることが出来ない。曲が終わるまでは聴いて待っていないといけないのだから。

 

自分が金を払って観に行ったライヴで、演奏者が譜面を見ているのか、客の方を見ているのか。僕自身は少なからずそういうところを気にするので、自分が気になることは少なくともしないでおこう、という感覚でこのスタンスを持ち続けている。まぁ、全く気にならない人もいるとは思うが。

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音楽のポイントは演奏者が楽しむこと、そして客もそれを見て楽しむこと、というのはいつの時代でも言われていることだが、譜面を凝視するプレイヤーの姿からはたして楽しみが見えてくるのかどうか。やっぱり客の方を向いて笑顔で演奏してくれるのがより楽しく見えるし、自分のために演奏してくれている感じが強く出ているに決まっている。

2015.4.15 訂正&追記