Hughes & Kettner「Tube Meister 18」実際に使ってみての印象

小型チューブアンプヘッドは最近の流行になってまして、とうとうメサブギーまでが参入する一大マーケットになってきました。ヒュース&ケトナーのTube Meisterシリーズもそんな中のひとつですが、今回登場するのはあまり市場に出回ってないコンボ版。

外観。青く光るパネルは相変わらずかっこいい。
外観。青く光るパネルは相変わらずかっこいい。

 

コンボ版とヘッド版

ヘッドだけのものはあちこちに置いてありますが、コンボタイプの物はほとんど見ることがありません。やはり売れないんでしょう。

車を所有してないという事情もあって、個人的にはチューブの18Wというそこそこの火力でありながら、10kgを切るという軽量さはこれにしかない魅力でしたが、なかなかそういう人は少ないかも知れないですね。このサイズと重量が電車移動のギリギリの線だと感じます。

コンボタイプは軽量さ、スピーカーの小ささにより、こぢんまりとした音ではありますが、スピーカーも同時に作っているということで、Hughes & Kettnerの音色というものが凝縮されて入っているような感じがします。

すなわち、煌びやかなクリーントーンと、よく歪み、比較的フラットな特性をもったドライブトーンですね。

これがマーシャルのキャビネットとかに繋ぐとまた違う音がするでしょうし、そこら辺色々と融通が利くのがヘッドタイプのいいところですね。反面、スピーカーが存在しないと音さえも出ないので、ちゃんとしたアンプがないような小さいハコ等では役にも立たなかったりします。

 

実際に弾いてみる

というわけで、ロベン・フォードのThe Brotherを弾いてみたので、載せてみます。原曲はヴォーン兄弟に捧ぐ的な意味合いのブラザーなわけですが、僕のギターにはブルースのブの字もありません

録音はこんな感じで。
録音はこんな感じで。

音色はLから聞こえるカッティングと、リードギターの部分で傾向が分かると思います。

 

音色について

僕は機材に関して詳しくはないので、真空管の型番がどうのという話はできませんが、上に書いたとおり、クリーンは非常に煌びやかで、芯がありながらもキンキンにならない魅力的な音です。

クリーントーンではリードを弾く際にも十分な太さを提供してくれますが、カッティングやアルペジオでもシャキッとした立ち上がりを聴かせてくれます。動画のカッティングパートからもそれは伝わってくるんじゃないかと。

 

ドライブチャンネルはブーストのオンオフを決められますが、全体的にフラットな雰囲気の音。低音ははっきりと出るし、高音も耳が痛くならないレベルではっきりと出ているのが分かります。一口に言ってかっこいい音ではありますが、ミドルがやや弱く感じる印象。

別に出てないわけではないのですが、僕自身のスタイル的に、もう少しジューシーな中域が欲しいというのが正直なところです。なので、クリーンブースター系でやや太さを稼いでやるといいかと思い、現在目下探している途中。もちろんそのままでも全然OKな人もいるでしょう。

レスポールなんかだとちょうどいいかもしれませんし、あるいはストラトなんかで、ジャキっとした音を目指しているような場合でもそのままで全然いけそうです。実際ストラトを繋いでみると、ほどよく枯れた音に仕上がりました。

 

さいごに

チューブの18Wなので、かなりの音量が出ますが、POWER SOAKで自宅練習可能な音量まで落とせますし、2チャンネルエフェクトループ付きのコンボアンプでこの大きさって実はあんまりなかったりします。そういう意味で、練習もいけるし軽いライブでもこなせるし、PA付きであれば大きめのハコでもいけるしと、かなり使い勝手の良い一台だと思ってます。

それだけに、巷にあんまり出回ってないのがちょっと不思議です。