西欧3カ国を巡る旅・その4「フランス・アルザス地方」

ストラスブール(Strasbourg)に到着した翌日、フランスで最も美しい村々が集結しているアルザス(Alsace)地方を巡ることに。この地方は他のヨーロッパの田舎と同じく、地元民が通学でつかうためのバスがあるだけで、交通の便がすこぶる不便な場所。レンタカーを借りるのが最適ですが、日本でもペーパーなのにヨーロッパで乗れるわけがないので、おとなしくツアーを利用しました。

ツアーはどうせなら日本語のにしようと思い、「あるざすかい」に直接依頼。現地在住の日本人の方が交通手段の手配から、名所の案内解説もやってくれるという、オーダーメイドなツアーです。今回は熟考の末、以下の順で回ることにしました。

・オーケニクスブール城(Haut-Koegsbourg)
・リクヴィル(Riquewihr)
・エギスハイム(Eguisheim)
・コルマール(Colmar)

今回、朝の10時ぐらいから夕方までで、昼食のアルザス料理を含めて大体一人当たり2万円ほどでした。同行者とかがうまく見つかれば安くなるようです。

オー・ケニクスブール城

オー・ケニクスブール城
オー・ケニクスブール城

アルザスの西の方にある古城。独特のレンガ色の城は一目に値します。城の建つ高台からは、アルザスの平原が遙か彼方まで見渡せます。点在する村々の小ささがこれでよくわかります。高台にあるので少し寒く、何か羽織るものがあったほうがいいかも。

城のある山の上から見渡す
城のある山の上から見渡す
観光客は多いです
観光客は多いです

城の中は歴史を感じる部分もあったり、かなり修復されて見やすくなっている部分もあったりします。この地方らしく、ワインを入れるでっかい樽は巨大すぎる代物で、見応えありました。

城内の絵画にはドイツとフランスの仲の悪さが見て取れたり、この地方ならではのエピソードにも事欠きません。この辺は解説付きのツアーならではです。自分だけでは絵画にまつわる細かいエピソードまではなかなか把握できないですね。

城内はそれなりに見所があります
城内はそれなりに見所があります

リクヴィル

リクヴィル
リクヴィル

城からリクヴィルまで行く途中にリボヴィレ(Ribeauville)などの他の名所も一応通りました。車から少し見ただけですが、すごい人でした。これはひょっとして…と思っていると、やはり目的地のリクヴィルでも同じく観光客でごった返しています。街並みはいわゆるフランスとドイツの特徴を両方持った可愛らしい田舎町に違いないのですが、人が多すぎてまるでテーマパークのよう。そんなにアクセスのいいところでもないのに、この人の多さはたいしたものです。

アルザス独特のドイツ風建物が多いです
アルザス独特のドイツ風木組みの家々

ここでは昼食もとりました。アルザスの土着料理はシュークルートというキャベツを煮た物が有名ですが、実際にはバリエーションに富んでおり味は思っていた以上にどれも美味しかったのですが、何せ凄い量で食べきれませんでした。幸いにも持って帰ってもOKだったので、包んでもらってそのまま持って帰りました。

ツアーには昼食代は入っていませんが、店やメニューはあらかじめ準備しておいてもらえます。地域の銘酒アルザスワインもここで飲みましたが、さすがに今まで飲んだワインでも1,2を争う美味さでしたね。

入ったレストラン、La Grappe d'Or
入ったレストラン、La Grappe d’Or

エギスハイム

エギスハイム
エギスハイム

最も美しい花の街として知られる小さな街。YouTubeで知り合ったフランス人のギタリストの方に聞くと、実際に向こうでも有名なところだそうです。ここはリクヴィルと違い、観光客も少なく、歩きやすかったですね。こぢんまりとしていましたが、美しさはリクヴィルにひけをとるものではなく、今回のツアーでも最も良い印象をもった街です。ここではアルザスワインを少し購入して帰りました。

まさに花に溢れた街
まさに花に溢れた街
アルザスワイン
アルザスワイン

あまり長居はしなかったので、見所と言ってもサン・ピエール・エ・ポール教会という11世紀の古い教会の中に少し入ったぐらいです。実際には街を歩いているだけでも気持ちの良い場所です。

教会のてっぺんにコウノトリの巣
教会のてっぺんにコウノトリの巣

コルマール

コルマール
コルマール
ストラスブールに次いで、アルザスの中心をなす大きな街。観光客も多いですが、街自体が大きいので、ごった返しているというほどではなかったです。ここも美しい街で、ドイツとフランスを足して2で割った、いわゆるアルザス風建築の建物はこの街では他の街以上にたくさん見られました。

街並みは村という感じではないです
街並みは村という感じではないです
奥に教会の尖塔が
奥に教会の尖塔が

ここでは大きめのマルシェや教会などをざっくり見て回ったという感じですが、はずれの村に比べても遙かに大きな街なので、一日掛ける価値が十分ありそうでした。上の写真にあるような、運河のある辺りはリトル・ベニスと呼ばれ、ボートで運河を巡るツアーなどもあるようです。

街並みは「ハウルの動く城」の舞台となったという話で、アニメで描かれたのとそっくりな家が建っています。

ハウルの動く城のモデルとして使われた館
ハウルの動く城のモデルとして使われた館
ファサードの向こう、サン・マルタン教会
ファサードの向こう、サン・マルタン教会

ここは鉄道の主要駅もあり、ツアーを使わずとも簡単に来れるので、ストラスブール同様アルザス観光の拠点になりうる場所です。次に来る機会があったらここに泊まってもいいなあ、とも思えた魅力ある街でした。

ストラスブール帰還

一日回って、ストラスブールに帰還します。向こうの高速は修理が遅く、不通のまま全然進捗しないという、フランスならではのエピソードなども聞きつつ、ツアーは終了。帰る途中、自由の女神を見ることが出来ました。これは自由の女神をデザインしたバルトルディがこの辺の出身で、それを記念して小さなレプリカを建てているという事情だそうです。

自由の女神レプリカ
自由の女神レプリカ

アルザスは魅力ある街がたくさん溢れていました。それだけに思った以上に観光客でごった返していたというのが正直な感想ですが、その辺を考えると、敢えて人が行かないところを狙うのも良いと思います。村々は個性的というよりも、雰囲気がどこも似ているので、2箇所ほど静かそうなところを狙うのが一番賢いのでは、という印象。有名なリクヴィルとリボヴィレはいつでもすごい人のようです。今回行った中ではエギスハイムとコルマールは特におすすめですね。