ナチュラル・ハーモニクスを演奏に活かしてみよう

ナチュラル・ハーモニクス(フラジオレット・ハーモニクス)というと、フレットの上に指を乗せて、弾いた瞬間に離すアレです。アクの強い奏法ゆえに効果音みたいな使われ方が多いですが、実際の曲中に使うにはどうするか。ここではそれを提案します。

 

効果音、飛び道具的な使い方

一番多いパターン。エレキギターの歪んだ音だとかなり攻撃的な音を作れるので、リフの隙間に入ったりすることも多いです。

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タブ譜に2.4と書いているのは、ほぼ2フレットのハーモニクスだと思って下さい。古くはCrazy Trainから使われてる方法。最後のアームを使っての「キャーン」という奴はHR/HMならではの飛び道具ですが、僕は4フレットでやることが多いです。十分に歪んだ音で、リアピックアップで鳴らすと綺麗に出ますね。僕のはウィルキンソントレモロですが、フロイドローズだとよりアグレッシブに。

EXTREMEの「PORNOGRAFFITTI」イントロのリフの最後に登場する5fの連続ハーモニクスも、ある意味で飛び道具的と言えるでしょう。

 

フレーズとして生かす使い方

5fが開放弦の2オクターブ上、12fが1オクターブ上。7fは7fを押さえた音の1オクターブ上。これを利用してコードの一部を担わせるという使い方が出来ます。

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オープンコードのGは2〜4弦が、Emは1〜4弦が開放。Dは2〜4弦7fを押弦、1〜4弦7fを全て押さえるとD6に。ここには登場しませんが、Bmもこれで作れます。出だしのGは6弦3fのルート音を押さえたまま、小指で5fハーモニクスを鳴らしていますが、このようなエレキのクリーントーンのみならず、アコギでは超効果的。

他にも6弦5f→4f→3fと鳴らすとEコードの音が出たり、ハーモニクスには色んな使い道があります。


ジョジョで知った人も多いであろう、YESのFragile冒頭のこのナンバー。歌が入る直前のアコギのハーモニクスはコードと言うより一つのリフと言っていいであろう代物。クリス・スクワイアのゴリゴリベースも相俟って、独特の音世界を作り出しています。ライブでは全編エレキで弾かれています。


ライブで削られているギターだけのイントロ部分。ドロップDチューニングでハーモニクスを効果的に使っています。どこから来た発想なのやら。このころのポール・ギルバートは独特な発想でギターのラインを作り出しているケースがしばしばありますね。

 

独特の柔らかい音色が魅力なナチュラル・ハーモニクスですが、歪んだ音で使うと、また違った魅力が出てきます。色々と使い方を探ってみても面白いんじゃないかなと思います。