Bloomはエリック・ジョンソンのアルバムのタイトル曲であり、オープニングナンバーでもある一曲。コーラスとギターが一体となって美しさを醸し出す、独自性の光る曲でもあります。
こちらは僕が弾いたもの。今回はギターだけをとりあえず完コピに近い状態まで追い込んでみましたが、途中のコーラスまでは再現してません。実際には複数のギターが入り乱れているのですが、それも一本にまとめています。スライドで弾かれているサビ部分もアームを使って近い感じにはしてますが、スライドバーは不使用。
それではいってみましょう。
イントロ
この曲のベースとなるリフ部分。単なるEのパワーコードですが、独特のニュアンスがあります。ピックと指で弾きますが、弦3本を一気に弾いているので、指の方は薬指までつかわないと弾けませんね。
Aメロ(2周目)
Aメロは都合2回出てきますが、その2回目。何というか、ぱっと聴いた感じよりも難しいです。メインのメロディにコードアルペジオが乗っかっている感覚です。1度-5度-10度の移動はEJ節ですね。後で嫌というほど出てきます。
運指も妙に難易度が高いですが、フレーズ頭に16分休符を入れてからのタイミングを掴むのが一番難しい。
A-G-Fのアルペジオ
とりあえず他に書きようがなかったですが、サビとサビに挟まれた、この曲の中でも目立つ部分。ここの雰囲気の異世界感を漂わせるために一役買っているのがFコード。A-G-Fと書くと何かコーヒーギフトみたいですが、こんなコード進行がここで初めて登場。F部分が初登場することで、一時的に強烈な場面転換が起こります。演奏上でもそれなりに難しいですが、運指を覚えてしまえばさほどでもありません。左手よりは、中途半端な速さなので右手に困ります。僕はほとんどオルタネイトで弾いていますが、結局それが一番安定するんじゃないでしょうか。部分的にスウィープでも良いとは思いますが、結局余計に難しくなりそうな気がしますね。
フレーズは完全にただのコードトーンですが、つなぎ方が非常に独特。うまく工夫すればアドリブに使えそうでもありますが、一部だけ取り出して弾くのがちょっと難しい。
Interlude(中間アルペジオ部)
Aメロの項目で触れた「1度-5度-10度」のアルペジオが連射される部分。ギターだけで聴くと結構派手ですが、実際の曲中ではバックで響きを奏でているイメージに近いです。コーラスが目立ってる部分ですからね。弾いてみるとやはり右手です。左手はコードを押さえる延長のイメージで何とかなります。たいがい3弦を飛ばして 5弦-4弦-2弦 の流れなので、僕は ダウン-ダウン-アップ か、アップ-ダウン-アップ のどちらかで弾いてます。弦が飛ぶところはアウトサイドな動きにして間違いにくくしている感じです。1弦から急に5弦に飛ぶような場所でも同じです。
2小節目からの進行はベースが上昇し続ける典型的なものですが、それまでのA、G、Eを基本とした進行との落差もあって、非常に滑らかな美しさを感じます。エリック・ジョンソンの作曲能力が現れた場所ですね。奏法的にも、EJ節和音フレーズの使い方が凝縮されたような6小節です。
エンディング
まずは、サビのメロディからそのまま入ってくるエンディングの導入部分。コード進行はサビのものをそのまま使っているのでG-A-Eの繰り返し。基本的にはGのコードトーンとEメジャースケールで出来ています。ここから急に速くなります。スケールはEマイナー・ペンタトニック・スケールの一択。G-A-Eのコード進行にEマイナー・ペンタが合うのを見越した上での一発です。
テンポが遅いので6連といってもさほどではないですが、全てをピッキングするのは至難なので、適当にプリングなどを入れるといいです。譜面のど真ん中部分に一瞬32分音符がありますが、ここは僕も一瞬だけスウィープを使っています。ちなみに、上の動画はその前のスライド部で一瞬間違えてます。
曲を聴くとこの部分はポリリズミックに聞こえます。最初に2音だけが6連からはみ出しているからですが、巧妙なアレンジ。ここまで来たらそのままラストまで走り抜けるだけなので、勢いで行ってしまいましょう。
まとめ
この曲はエリック・ジョンソンの中では簡単な方で、指がちぎれそうなコードフォームも、とてつもない速弾きも登場しません。EJの曲をやってみたいけど手が中々出ないという人には、ひとまず一曲というのにちょうど良いと思います。
この曲の最大の難しさはそのリズムにあり、スローなリズムなわりに符割りが細かいので、タイミングが取りにくいと感じることが多々あります。
今回は冒頭に全譜面を置いていないですが、この曲の全譜面はこの本に載ってます。僕もこれを利用してコピーしましたが、有名曲が他にもたくさん載っており、スロー再生可能なカラオケまであるという至れり尽くせりな代物。別に出版社の回し者というわけではなく、この手の本はいつ絶版になるか分かったもんではないのが世の常。気になる方はさっさと手に入れましょう。