大陸最西端・ポルトガルの旅(2)「ポルト」

一日目はリスボンを散策、堪能したら、二日目にはポルトガル第二の都市にして、その国名の発祥ともなっている「ポルト」へ向かいます。ポルトについてはリスボンとは違い世界遺産登録されているのもあって、街並みはリスボン以上とも聞こえるところ。期待が膨らみます。

ポルトの街並み(ドン・ルイス一世橋より)
ポルトの街並み(ドン・ルイス一世橋より)

 

午前中にリスボンを出立

ホテルを後にすると、リスボン・オリエンテという駅へ。この駅はリスボンの大型ターミナルになっており、地方都市にむかう列車や国際列車などが発着します。駅前にはヴァスコ・ダ・ガマ・ショッピングセンターという、大航海時代的な名前のショッピングセンターがあります。

ヴァスコ・ダ・ガマ ショッピングセンター
ヴァスコ・ダ・ガマ ショッピングセンター

ポルトまではポルトガル随一の高速鉄道Alfa Pendularが所要2時間半と速いですが、あまり本数がありません。僕もチケットを買いに行ったときにはちょうど電車が無く、結局普通の特急に乗りました。

3時間ぐらい掛かるので、さきほどのショッピングセンターで何か調達してもいいです。フードコートはたいがい持ち帰りできますが、12時以降にならないと営業しないので、注意。

 

電車の旅

電車の中からはお世辞にも美しいとは言えない、普通の場所を走ります。途中にコインブラやアヴェイロなどの有名な都市を通りますが、いずれも中心部と駅はかなり離れていますので、美しい市街地を望むことはできません。アヴェイロはぎりぎり見えたかな、というところ。

唯一、気分が盛り上がったのは大西洋を見たときでした。大西洋は荒波が押し寄せる荒涼たる海で、これを見ると「えらく遠くまで来たなあ」としみじみ感じたものです。

到着目前、車窓から
到着目前、車窓から

 

到着

ポルトが近づいてくると、中心部に行くまでもなく、ドウロ川とそこに掛かるドン・ルイス一世橋が眼前に広がってきます。電車で3時間も揺られたあとで、突然この光景が広がってきたときの気分と言ったら、筆舌に尽くしがたいものがあります。

長距離列車の到着先はポルト・カンパニャンという東の端にある駅。街の中心部へは、そこで普通列車に乗り換えてポルト・サン・ベント駅へ向かう必要があります。

サン・ベント駅構内
サン・ベント駅構内
駅の周り
駅の周り

サン・ベント駅は構内をアズレージョが埋め尽くす、印象的な駅。駅自体にも非常に歴史のある場所です。駅を一足出ると、もう街の中心部ですが、リスボン以上に坂が多いのが一目で分かります。

ポルト・その1
ポルト・その1

 

美しきドン・ルイス1世橋

ポルトはリスボンよりも街全体が入り組んでおり、細い路地が幾通りにも張り巡らされているような印象。洗濯物がはためいていたりするのはリスボンと同じです。

ポルト・その2
ポルト・その2
ポルト・その3
ポルト・その3
レストランや土産物屋も多いですが、普通の住宅地の中に点在しているのがポイントで、一大観光地でありながら、現地の住民が普通に生活している等身大の街という雰囲気が残っているのもまたいいところですね。

どう歩いても結局は下り坂の果てにある川べりに到達しますが、ドン・ルイス一世橋を目指して歩くと、逆に登っていかねばなりません。

ドン・ルイス一世橋とストリートミュージシャン
ドン・ルイス一世橋とストリートミュージシャン
右に見えるのが橋
右に見えるのが橋

橋はかなり上の方から架けられており、真ん中が車道、端が歩道です。車道の上には路電も通り、風が強く、高さもかなりあるので、結構怖いです。この日は日差しが直で肌を刺し、暑いというのもありました。

橋の上からはポルトの全景が見られます(冒頭の写真)。対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区からの眺めもまた良し。今回は行ってませんが、ワイン好きの人には、この辺りにワイン倉がたくさんあるので、それを巡るのも面白いでしょうね。僕はアルコールがあまり強くないので、夜に少し飲むだけにしておきました。

 

絶景のクレリゴス教会

教会と塔
教会と塔
クレリゴス教会前の坂
クレリゴス教会前の坂

帰りは橋を歩くのも疲れたので、路電を利用。この路電で橋を渡ると、これまた違う雰囲気の風景が眺められます。その後、カフェで休憩してのち、クレリゴス教会へ。

カフェではワッフルを食べましたが、今まで行ったヨーロッパの中でも飲食物は1,2を争う美味さです。初日にリスボンで食べたパエリヤ、ここで食べたスパゲティやギマランイスでのパスタ、最終日に行った「ドイス・アルコス」での海鮮料理など、全てハズレがありませんでした。さすがに海洋国家。

クレリゴス教会は比較的高台にあり、街のシンボルにもなっています、教会の塔へは登れますが、言うまでもなく徒歩。ヨーロッパ旅ではおきまりのらせん階段登り詰めです。ひいひい言いながら最後まで登ると、夕暮れのポルトが見渡せました。

教会の塔より
教会の塔より
教会の塔より、夜景
教会の塔より、夜景

 

ポルトで楽器屋に寄る

絶景を堪能すると、市庁舎に面するアリアードス通りに出て、周辺をぶらぶら。この後、どう歩いたのかは覚えていませんが、近場の楽器店に入ったのを覚えています。

品数は日本の比ではなく、1/10程度といったところ。店員にこれがいいよ、とBOSS GT-100というのを薦められましたが、こんなでかいもんは持って帰れないと笑って、後にしました。ていうか、日本でも買えるし、BOSSって日本のブランドやがな。

アリアードス通り
アリアードス通り

その後、ふらふらとホテルの近くのレストランに入って、遅めの夕食。ここではガットギターの生演奏をやっており、非常に良い気分で食事が出来ました。雰囲気も抜群、さらにスパゲティも美味いということなし。惜しむらくはサラダがやたらと酸っぱかったこと。

 

散策を終えて

ポルト・その4
ポルト・その4
ポルトはリスボンとはまた違う活気を感じる場所でした。第2の都市でありながら、より華やかであり、こじんまりとしているので回りやすいです。今回の旅では一番来て良かったと思える街がこのポルト。リスボンも良いですが、人に薦めるのであればこちらを推したいですね。それぐらい良い印象がありました。