Revolver収録の異色作「I’m Only Sleeping」は、とりあえずただ寝たいという、慢性睡眠不足の社畜民族日本人にはたまらん歌詞のサイケ感溢れるナンバー。
ジョンのだるすぎるボーカルがツボで、個人的にも好きな一曲です。
今回はこれのギターソロをやってみようかという趣旨ですが、まずはこの動画をどうぞ。
全ての種明かしがここで済んでしまってますが、この動画を作る過程を下に細かく書いていってます。
サイケビートルズお得意〜逆再生ソロ
サイケデリック時代のビートルズを象徴する逆再生ギター。所々に登場するやり方ですが、これだけフィーチュアされてるのは多分この曲が一番だと思います。歌の隙間に入るフィル、間奏、エンディングなど、随所に逆再生のギターが入る入る。
かつてキャバンクラブ大阪で演奏してたときはボリュームペダルを使って人力逆再生をやっていましたが、意外にも結構近い感じになります。今回はボリュームペダル使用の無理くりソロをまず解説、そのあと、逆再生ソロの再現に挑みます。
ちなみに原曲はキーEマイナーの半音下げ。チューニングを下げてるわけではなく、おそらくテープの回転数を下げてるんだと思いますが、今回の記事では全弦半音下げでやってます。
人力リバースギター
実際には2本のギターが入り乱れており、途中の辺りからどちらがどちらになるのかは自信はないのですが、大体こんな感じ。
最後の辺りは3本になっているような印象もあるんですが、2本で十分近い感じになるでしょう。
長い音符の前は基本ボリュームペダルを使い、細かい音符の移動はできるだけスライドで行います。
こんな感じまでいけばかなり良い感じでしょう。二人いれば頑張って二人でやるも良いし、一人であれば、目立つところを取り出してアレンジしてもいいです。まぁ、この曲をライブでやろうって酔狂な人はあまりいないでしょうが。
リバースギター完全再現
さて、今度は実際に録音したものをリバースして原曲通りに仕上げる実験を開始。
原曲を逆再生してみる
原曲を逆から再生し、ギターソロ部分のギターを耳コピします。
思った以上にはっきりギターの音が聞こえます。太めでコシが有り、若干歪んでるような音。Epiphone CASINOとVOX AC30なのかは知りませんが、多分この組み合わせで近い音になりそうです。少なくともシングルコイルではなさそう。
リバースされたドラムの「シュワーッ!」という音に紛れて聞こえるギターを何回か聴き取ります。アタマが変になりそうだ…。
さきほどの人力リバースのものと見比べると若干違いますが、こちらが恐らく正しいはず。人力リバースの方は聞こえやすい部分を拾っていただけというのがこれを見るとわかります。
録音して逆再生してみる
ドラムがまともにないので、リズムはかなり当てずっぽう。そのまま弾くとこんな感じです。
ワケがわからない感じですね。謎の長距離スライドなど、普通に弾いてたら確実にしないであろうものが入っているし、多分できあがりを全て想定した上で演奏されているんでしょう。
そしてLogic Proで逆再生を敢行!こちらが完成形。いかがでしょう。
まとめ
リズム良く弾いているわけではないので、原曲のように綺麗にハマる感じはありませんが、雰囲気的には完全に近い再現にはなっていると言っていいでしょう。原曲のハマり具合から、全てを計算してフレーズが練られている印象が強いです。それも録音の際にはガイドでドラムが鳴っていた可能性さえあります。
この曲は途中のフィルやエンディングまで逆再生の嵐ですが、どれも非常に綺麗にハマっていますので、適当にやってる感は希薄で、どうもレコーディングには地味に苦労したんじゃないかなと推察したくなりますね。
ちなみに、モノ版とステレオ版で微妙にフレーズが違うので、気になる方はチェックしてみて下さい。