モデリングアンプ、ギタープロセッサーをカテゴリ分けして整理してみた

ギタープロセッサーの氾濫はFractalのAxe-Fxに始まり、ついには今年はBOSSまでが参入。ほぼ出尽くしてきた感がありますね。ここ10年ぐらいでサイズも形態も値段も様々で、いくらでも選択肢がある時代になりました。

最近更新のネタもないので、色々と調べたり実際に弾いてみたなかでの印象などを、カテゴリ分けして書き連ねてみます。

 

フロアタイプとラックタイプの違い

最高峰ギタープロセッサーについては、ライブでのマルチエフェクター然とした使い方を想定したフロアタイプと、レコーディングや家での使用に向いたラック、アンプのように使えるようになった箱タイプがあります。従来のマルチエフェクターからなのか、ラック型の機材からなのか、発祥によっての差が生まれている感覚ですね。

Helix Rackとフットスイッチ

HELIXはPODシリーズの延長か、両方をラインナップした唯一の存在です。

フロアタイプ

エクスプレッションペダル付き
・LINE6 HELIX Floor,LT
・BOSS GT-1000
・Headrush Pedal Board

ペダル無し
・LINE6 HX STOMP
・Headrush Gig Board
・Fractal AX8
・Atomic Amplifire

この辺が有名どころでしょう。持って行くのがメインの使い方になるので、操作性は左右しますしペダルの有無はあれど、基本的には小さい方がいいと思われます。街中で電車移動している貧乏ミュージシャンは多いはずですしね。

その観点からいくとHeadRushのPedal Boardはかなりの大きさです。Helix Floorも徒歩で持って運ぶにはきつい。GT-1000はその意味で革新的でした。EXPペダルがついてこの操作性でこの大きさはずば抜けた運搬性と言えます。ただ、実際に触ってみると、空間系は非常に優れているものの、アンプモデルがBOSS独自のモデルだけで、かつ少ないのはややマイナスでしょうか。

HeadRushは楽器店で確認しただけで、この中では個人的に触ったことがないのですが、Eleven Rackが相当良かったようなので、アンプモデル数がいささか少ないものの、機能、音質的には申し分ないと思われます。ハンズフリー、さらにタッチパネルが付いてる製品は他にあまりなく、操作性はトップクラスかも。今ならGig Boardのほうが狙い目かな…。ペダルが欲しかったら後付けで。

 

HX StompはHelixの機能がそのままに小型化がはかられたものですが、大きめのコンパクトエフェクター並の省サイズで、2018年末にして品薄状態という超売れ線の商品に。やはりみんな小型化を喜んでいるということでしょう。

AX8は現在やや時代遅れ。Atomicの製品は宣伝の失敗か、乗り遅れた感があります。Amplifireの初代は、同サイズのAmplifire 6の登場により、続々と値崩れを起こしています。僕も所持していましたが、音質は値段とサイズにしては申し分ないものの、拡張性が低く、アンプエフェクトともにモデル数が少なく、今だとHX Stompに勝てるところが思い浮かびません。値段がもう少し落ち着けば導入の価値はありますね。音はいいですし。

Atomic AmpliFire Pedal導入!実録レビュー(2016/12/9)

 

ラック、箱形タイプ

パワーアンプ非搭載
・Fractal Axe-Fx III
・LINE6 HELIX Rack

パワーアンプ搭載(非搭載バージョンもある)
・Kemper Profiling Amp Head,Rack
・Positive Grid Bias Head,Rack
・Positive Grid Bias Mini

パイオニアであるFractalのAxe-Fxは現在3代目。相変わらずの強気な値段設定ですが、売れてるんでしょうか…。エフェクト類には無類の強さがありますが、アンプタイプはきれいめにまとまっている印象なので、やはりレコーディング向きかなあと。あくまでIIの印象ですが。それより、IIIまで出たことでII以下の中古価格が下落しており、こちらの方が新規ユーザーとしては嬉しいかも。HelixのラックはFloorと全く同じ機能ですが、ライブでの使用では操作のために別途フットスイッチ必要。

 

箱形はアンプ的な使い方

パワーアンプ搭載の二機種は従来のエフェクターからの進化系統とはまた別で、アンプとしてそのまま使うというのを命題として作られています。とはいえ、Bias Headは7kg、Kemperは6kgと、普通に持って行くにはキャリーカートが欲しくなる重さ。まあ、実際のアンプを運ぶことを考えると屁みたいなもんですがね…。そんな中、2018年の中頃に登場したBias Miniは革新的。操作性が悪そうですが、どうなんでしょうか。個人的にかなり気になっている製品です。

Biasは内部の真空管や電源トランスの交換までシミュレートして、それをハードウェアとシームレスに連動させるという発想で、文字通り魔法の箱的なアンプになっています。エフェクトが入っていないため、純粋なアンプとしての利用になっているところはある意味潔く、Miniなどは300Wのパワーアンプを搭載して2.5kgと、ライブでの使用を最大限に視野に入れて作られているようです。

 

KemperのProfiling機能はアンプの物理的コピーを可能にした驚きの技術ですが、他のどの製品にもないスペシャルなもので、他の製品が次々にミニ版や次世代バージョンを発表してラインナップを刷新していく中、Kemperだけは2011年に初号機を発表して以来、何も変えずにそのままを保っています。このカテゴリの製品類で中古価格をほぼ下落させていないのも驚くべきことで、まさに唯一無二のマシンです。

 

この二機種はどちらもアンプの代替品になり得るものですが、音質的には甲乙付けがたく、完全なるコピーを所持したいKemperと、自由にカスタムしたいBiasかで大きな特徴が分かれそうです。その上、エフェクトの有無と結構な価格差があるので、それも忘れず視野に入れる必要がありますね。

 

さいごに

仕事柄にも色々弾いたことはあるんですが、個人的にどれも持っていないこれらの製品。

何かひとつを持っておこうと考えた際に、最初はKemperを想定していましたが、ライブの際に運べるのかというので躊躇しています。家で使うだけなら速攻で決めるんですがね…。コンパクトエフェクターを多数運ぶことを考えると、本体一台プラスMIDIスイッチで、むしろラクかもしれないとも思いますが。Bias Miniが出たことで、これとお気に入りのコンパクトも面白いかなと感じています。