キャビネット用のIRデータを物色している途中に探し当てたMikko Cab Sim Plugin。昨今有名になりつつあるようですね。
https://ml-sound-lab.com
左上のメニューからMikko Cab Sim PluginsにGO!
アンプシミュレーターがメインで、キャビシミュは別枠の製品って位置づけのようですがこれがよくできています。
フリー版はMesa-Boogie 4×12のみ
フリー版を少し試してみたのですが、印象的にはかなりのもの。フリー版はメサブギーの4×12キャビのみのシミュレートで、細かい音色の追い込みなどもできないのですが、マイクの位置などは自由に変えられますし、本数も増やすことができます。
ただ、複数マイクのミックスについては、ちょっとピンと来るような音色の変わり方をしないですね。これはそういう仕様なのか、有料版とは挙動が違うのか、ちょっとわかりません。
実際の音源
ここからは実際の音源で印象をみてみます。
Amplitube 4
Amplitube 4でメサブギーのシミュレートを試してみました。実際には前バージョンの3からあったモデルなので、音質的にはやや古さを感じます。
内蔵シミュレーター
MIKKO
内蔵にある妙な低域の分厚さはほとんど感じませんが、その代わりにヌケのある高域が出て、すっきりした印象です。
BIAS AMP2
レクティファイヤーたるTreadplateモデル。
内蔵シミュレーター
MIKKO
内蔵シミュレーターもかなり優れていますね。さすがにBIAS。MIKKOの方は、ViViXのフリーIRデータを参考にしてリボンマイクで音作り。高域のキレ、低域の締まり具合、レンジの広さなど、かなり激アツな音になっています。
動画
動画も作っていますが、まあ上の記事の方がわかりやすいでしょう。実際の演奏風景が見たい方はどうぞ。
印象
極端な印象としては、レコーディング時に使いやすい音にフォーカスしている印象です。スタックの”壁”、”箱”感はやや希薄なかわりに濃密な中高域を前に出すような音作りをしており、結局低域を削ってしまうレコーディングなどでは特に向いている感じ。まぁ、これも有料版や、マイクのセッティングを突き詰めることでそういう分厚さを演出することも可能なのかもしれませんが、今回かなりマイクをいじってみたものの、なかなかそこの演出はうまくいきませんでした。
はじめの一本としてEssentialsバンドルが挙げられていますが、メサが二つ、マーシャルが二つ、フェンダー、Diezel、Suhrのものなどもあり、これ一本でずいぶんカバーできそうです。
Essentialsは99€なので、12,000円ぐらい…色々といじって追い込めるのは嬉しいところですが、良質なIRデータを買う方が良いのか、なかなか迷う値段です。
ちなみにKemperとの組み合わせはかなり良かったですね。有料版を買ったらIRデータとして出力できるので、これも魅力的です。