オーディオインターフェースのS/PDIFを使ってギターをリアンプする

先日型落ちモデルということで安価で手に入れたAxe-Fx IIですが、リアンプ運用のため、手持ちのオーディオインターフェースとS/PDIFで接続しました。同じやり方を試みる同志のため、そして自分の備忘録のために残しておこうと思います。

今回使った機材は

Axe-Fx II XL => Zen Go Synergy Core => Mac mini, Logic

という流れになっております。

Axe-FxはもちろんIIIでも可能ですし(IIIの場合は入出力が多いのでそもそもこんなワザは不要、という意見は置いといて)オーディオインターフェースやDAWソフトも人によって違うと思いますが、なんとなく似たやり方で通用するんじゃないでしょうか。

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S/PDIFをつなぐ

S/PDIFは丸いコアキシャル(同軸)四角いオプティカル(光)の二種類があります。オーディオインターフェース側が四角い形のオプティカルだと、Axeが丸いコアキシャルなので、アダプターをかます必要が出てきます。

コアキシャルは普通のRCAケーブルと同じ見た目ですが、デジタル用じゃないとうまく動きません。今回僕はAmazonで一番安いのを買いましたが、ケーブルによる音質に拘る人は良いのを買ったほうが精神的にもよろしいでしょう。

あとあとリアンプするので

インターフェースのOUT → AxeのIN
AxeのOUT → インターフェースのIN

とつなぎます。

ドライ、ウェット信号を2トラックに同時録音

さてリアンプの前段階として、ドライ音を録音します。ドライ信号だけでの演奏はきついし、ウェット信号を一緒に録音しておくと何かと後で助かるので、同時録音を試みます。Axe-Fx経由で一気に行うことで、ドライ音にクリップ防止のコンプを掛けるとかもできます。この時点では外部のギターの音を入れるので、Axe側のインプットはアナログインにしておきます。

Axe-Editでルーティングする

録音の肝がここ。

S/PDIFは当然ながらステレオでの送受信なので、Lをウェット、Rをドライで、別トラックとして利用します。モノラルでの録音が当たり前のギターだからできるワザです。

Axeには出力部にミキサーがあり、4つにルーティング分けされたものの音量とパンが調整できます。これを利用します。

ルーティングは横軸の4つのラインがそれぞれ1〜4と割り当てられるので、アンプを通したウェット音とインプットから直接つながったドライ音を左右に思い切り振ります。図では3と4。

インターフェース、DAW側の設定

インターフェースの設定です。Zen Goはわりと入力が柔軟なので、それゆえセッティングがわかりにくい側面があります。今回はDAWに送る出力1〜8のうち、5、6をそれぞれS/PDIFのLRに。

出力8もS/PDIFになってますが、深い意味はありません

そして、Logicに空のトラックを2つ追加し、それぞれの入力をInput5(ウェット用)、Input6(ドライ用)として設定します。

録音


両トラックの波形を見ても一目瞭然です。一応ちゃんと録れてるかチェックはしたほうがよいです。

リアンプする

ここからリアンプです。リアンプは先程のドライ音トラックの方から一度Axeに信号を戻し、プロセスを経たものをDAW側に返します。DAW側の設定としてS/PDIFの出力からAxeに信号を送る設定と、返ってきた信号を受ける設定が要ります。

AXE-FX,オーディオインターフェースの設定

まずAxeの設定です。I/OセクションのインプットソースをSPDIFにする必要があります。通常Analog Inになってて、演奏された外部のギターをそのまま受け取る設定になっています。ちなみにAxeをオーディオインターフェースとして使った場合は、ここをUSBにするとリアンプ可能。

次にオーディオインターフェースのS/PDIF出力をどこに送るのか決めます。Zen Goの場合1〜8で選べるのですが、今回ここも5,6に設定しました。

Digital OutというのがSPDIF OUTのことで、Computer Play 1〜8が出力トラックを意味します。大抵の場合1〜2がメインのアウトになってます。

DAWの設定

DAW側はまず先程録音したドライ音トラックの出力を5〜6にします。これでAxe側に送る設定が完了。

次に新たなリアンプ用のトラックを立ち上げ、入力を5にします。5にするのは、はじめにウェット音をInput 5で録音したため、それがわかりやすいためです。

この際にリアンプ用のトラックは出力をメインのアウトにしておきます。これで他のトラックとリアンプされた信号を同時に鳴らすことができます。聴きながらAxe-Editでグリグリとセッティング可能です。

ちなみにリアンプ用トラックをS/PDIFインに使った出力(ここではOutput 5-6)にしてはいけません。信号がループして危険です。

録音

セッティングが決まったら録音です。レイテンシーが起きる可能性がありますので、その場合、適宜調整です。

まとめ

Axe-Fx IIは出力が二系統しかないので、1をモニタースピーカー、2をキャビネット、とか送ってしまうと(ウチの使い方)、あとはデジタルしかなくなります。本体のオーディオインターフェース機能は他のトラックとリアンプ信号を並行して出せない(他トラックまでもろともエフェクトが掛かってしまう)ので、音色調整がしにくいし、そもそものクオリティがあまり高くない。

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アウトボードの処理はセッティングに気を配る必要があって結構複雑ですが、外部ハードウェアでのリアンプはやはり格別な存在感があるし、PCのメモリを食わないのも嬉しいところですね。