中華製クローンペダルはどれほど使えるのか〜LY-Rock編

中華製のクローンペダルと言えば、現在では結構メジャーな存在になってきていて、今では最新の発想で次々と新製品を送り出すMooerでさえ、もとはクローンペダルのブランドでした。

今回取り上げるのはLY-Rockという謎のペダル。

この謎のブランドはオリジナルに寸分たがわぬクローンを作りまくっており、この白いペダルは知る人ぞ知るモダンハイゲイン系プリアンプ「KSR Ceres Preamp」のクローンです。

オリジナルはこちら↓
https://ksramps.com/product/ceres-3ch-preamp-pedal/

謎ブランドLYRockのペダルは世界中にバッタモンを振りまくAliExpressからしか買うことができません。今回は購入後1ヶ月を待ち、はるばる海をわたってこられました。

https://ja.aliexpress.com/item/1005006056235622.html

9.7Vを越えるなの説明書きとともに届いた

果たしてどれほどに使えるのか検証していきます。

外観を比較してみる

さてオリジナルのCeresと比較してみます。

コントロールの配置、ブランドのアルファベットが空洞になってて中から光る、というところも忠実に再現。ちなみに光ったときの色もオリジナルと一緒です。さながらアナログシミュレートのプラグインのよう。

さらに驚愕なのが裏側。寸分たがわず同じです。右下にCincinnati,Ohioと書いてあります。違うやん、あんた中国やん…
さすがにその後の電話番号とアドレスは消えています。まあKSR社に連絡されても困りますしね。なぜかシリアルナンバーはテープに手書き

クローンペダルは数あれど、ここまで来たらもし訴えられたら負けるレベルでしょう。

クオリティはいかに

さて、中華製でしかもアリエクなので、いきなり電源が入らんとかいうトラブルを覚悟していましたが、問題なく作動。最近話題のKinf:2eで電源供給してみましたが、余裕でした。

ただし、BOSSのアダプターでは付いたり付かなかったりを繰り返します。端子部分の相性が悪いのかも。1SPOTに変えたら普通に動きました。一度ライブハウスでも利用してみましたが、特に問題はなかったですね。

音質

オリジナルのKSR Ceresが優秀だと聞いているので、それなりに期待して音を出してみましたが、かなりいい感じです。オリジナルを知らないのでどれぐらい似ているのかはなんとも言えないですが、十分に使える音質ですね。

プリアンプというだけあってペダルっぽいわざとらしさがなく、ブライトでかつ切れ味の鋭い歪みが得意です。全体的に高域がはっきりしており、低域はモコモコしにくい代わりに少し弱く、ジャリっとしています。この辺、多弦ギターとの相性は良いかも。その分、ドシッとした雰囲気はあまりなく、比較で利用したISPのTheta Preampの方が断然低域の座りは良かったですね。大音量で出したときによりアンプらしいのはThetaの方かなという印象を受けました。

録音トラック

上からクリーン、クランチ、ディストーション。PCに取り込んだ後、OwnHammerのIRを適用し、キャビネットシミュレーションを掛けています。

KSRのアンプ自体メタル系の印象が強いようですが、このペダルについてはもう少し汎用性は高そうに感じます。下の動画ではすごく歪んでますが、実はゲイン自体はそんなに高くないです。上に並べたうち、3番目の音源でゲインはMAXです。

がっつりメタルをやるなら、別のものかブースターで補完する必要があるかも。ギター自体が超ハイパワーならその限りではないですが。

まとめ

3チャンネルというのもあって、かなり使い勝手の良いモデルです。音はかなり良く、十分に実用に耐えますが、なにせ品質そのものに疑問符がつく中華製クローン。とはいえ、オリジナルのCeresが直輸入しかなく、しかも日本円にして50,000円前後になるところから考えても、選択肢としては面白いかもしれません。まぁ、ライブ前のリハとかで急に壊れたりする可能性もゼロではないので、試すかどうかは自己責任で!