チェコ珍道中・その2〜テルチ(Telč)

さてさて、プラハ到着2日目の朝、テルチに向かいます。テルチは世界遺産認定を受けた、昔ながらの家並みが残るこぢんまりとした田舎町。同じ意匠の可愛らしい屋根が並ぶ、ザハリアーシュ広場という広場が有名です。

プラハ〜テルチ

まずは、プラハのバスの玄関口、フローレンツバスターミナルへ。地下鉄Florencの駅から直結のようなのですが、出た場所が悪かったのか、バスターミナルは少し探すのに手間取りました。やっと見つけたバスターミナルは、改装されて間もないということで、内部はかなり綺麗。

中にある荷物預かり所のイケメン兄さんに、スーツケースを預かってもらい、2日分に必要なものとカメラだけを携行して、Student Agencyのバスに乗り込みます。

Student Agency社のバス。かわいい外見。
Student Agency社のバス。かわいい外見。


チェコのバスや鉄道の時刻表はここから検索出来ます。テルチ行きは色んな行き方がありますが、結構本数が少ないので、綿密に調べて行った方が確実かも。特に人気のStudent Agency社のバスは予約も出来るので、日本から予約していった方がいいかもしれません。

http://jizdnirady.idnes.cz/vlakyautobusy/spojeni/
{右下の言語のところからEnglishを選べます。}

ちなみに鉄道ではバスに比べて、かなり時間がかかるみたいです。世界の車窓からを堪能したい場合はありかな。

Student Agencyバスは日本製顔負けのフル装備。バスガイド的な人も同乗して、アナウンスも丁寧。(チェコ語で意味不明でしたが。)トイレもあって、モニターも各席に完備という、至れり尽くせりな車内でした。快適な車内でチェコのポップスを聴きながら、イフラヴァというところまで2時間ほど。一度降りて乗り継ぎです。

イフラヴァはプラハの華やかさや淫靡さとは全く異なる寂しさを湛えていて、すくなくともバス停の付近は、往年の東欧イメージをそのまま残している雰囲気が漂ってました。

イフラヴァのバス停。この日の天気もあいまって、寂しい印象。
イフラヴァのバス停。この日の天気もあいまって、寂しい印象。

テルチ行きのバスに乗り込んで、運転手から切符を買います。「カム?」と数回聞かれましたが、これは「Where?」の意味だったようで、「Telč,two.」と言うと、こんな感じの券を発行してくれます。
DSC_0240

このバスはStudent Agencyのとはうって変わって、安っぽい車内のうえに、悪路でガタガタと揺れて、到底乗り心地の良いものではなかったです。田舎の路線バスそのままという感じ。

でも、高速道路らしきところを走ったさっきとは違い、菜の花畑や草原の中に尖塔に赤い屋根が混じった田舎町が見える、こんな風景は日本ではあり得ず、まるでドラクエの舞台を走っているようで、乗り心地の悪さは感じる暇もなかったです。

テルチ駅。こじんまりとした駅舎。プラモデルみたいだ。
テルチ駅。こじんまりとした駅舎。プラモデルみたい。

数十分でテルチに到着。駅舎でトイレを借りようとしたんですが、トイレの場所を聞こうにも、駅員さんに英語が通じませんでした。チェコ語指さし会話帳が役に立った唯一の瞬間。

駅舎を背にして歩きます。よく見ると尖塔が向こうに。
駅舎を背にして歩きます。よく見ると尖塔が向こうに。
駅前すぐに交差点の案内板。
駅前すぐに交差点の案内板。

バスは駅前に止まり、そこから広場まで徒歩10分ぐらいというところ。広場までの道は普通の生活区域なので、観光地っぽくない楽しさがあります。

へんな屋根を発見。雨漏りの修理業者か!?
へんな屋根を発見。雨漏りの修理業者か!?
広場入り口です。向こう側にかわいい屋根が見えてくる。
広場入り口です。向こう側にかわいい屋根が見えてくる。

ザハリアーシュ広場は、おとぎ話や絵本にでてくるような、と形容される街並みというか家並みで、さすがに素晴らしかったです。日本人が全くいなかったのも好印象。ていうか、アジア系は一人も見なかったような…。

ただ、綺麗な広場なのに、車が大量に整列してるのはちょっと何とかならんのか、という感じ。チェコは車の流通が激しすぎて汚染が問題になっているそうですが…。プラハもチェスケー・ブジェヨヴィツェにも自動車だらけ。自動車大国ドイツの隣国だけにドイツ車が相当の割合にのぼります。

ザハリアーシュ広場。パンフレットとかで、一番よく見るテルチの風景。
ザハリアーシュ広場。一番象徴的なテルチの風景。

DSC_0370_207テルチ

自転車でぐるぐる回る子ども。石畳は走りにくそう。
自転車でぐるぐる回る子ども。石畳は走りにくそう。

この家々は今は飲食店やみやげ物屋になっています。木彫りの人形を黙々と作り続けるおじいさんから、犬を一つ購入。みやげ物屋からテルチの家をいくつか購入。置いてある土産物もいちいちほのぼのしたものばかりです。

テルチといえばこの広場、という感じで決め打たれた場所ではありますが、じつはもっと驚いたのは、城の裏庭のところ。

広場奥の狭い通路を抜けていきます。
広場奥の狭い通路を抜けていきます。
こんな風景がひろがっていました。
こんな風景がひろがっていました。

一面、きれいな芝生の中に池があって、子連れの鴨がいます。その向こうには、華麗なテルチ城。鳥のさえずりだけが聞こえて、人もほとんどいません。ここはゆったりと時間を掛けて散歩したいところです。おにぎりがあったらいいだろうなあ、とか考えてしまうのはやはり日本人の性。

広場の周りには地元住民の居住区が広がっているようで、広場からちょっと出ると、もうこんな感じです。

広場から一歩外に。犬の散歩してる人なんかもいました。
犬の散歩してる人なんかもいました。
こんなところで育ったら楽しそうだなあ。
こんなところで育ったら楽しそうだなあ。

どうせなので周りも散策したかったのですが、バスの時刻的に、ちょっと無理でした。強行スケジュールゆえにテルチには3時間ほどしか滞在できなかったんですが、今回の旅行でも一番のんびりできた時間です。無理して訪れて良かったと思ってます。時間があれば一泊する価値は十分あると思いました。

おみやげ。おじいさんから買った犬と、テルチの家。
おみやげ。おじいさんから買った犬と、テルチの家。