朝一番にハルシュタットを出立。雨を避けるようにひたすら南下します。もとよりオーストリアの後はスロヴェニアに向かうと決めていたので、国をまたいだチケットをレイルヨーロッパで買っていました。
レイルヨーロッパは日本にいながら欧州のチケットを買うにはやはり一番良いようです。手数料はある程度取られますが、それも他のところに比べて一番安いです。
ハルシュタット〜ザルツブルク〜フィラッハ
ハルシュタットから一度ザルツブルクに戻り、昼食にケバブを食べてのち、南下する電車に乗り込みます。ケバブはどこにでも売ってて、どうも日本におけるラーメン屋ぐらいの浸透率ですね。しかし、濃すぎてやや胃もたれ気味…。
ひたすら南下する途中、塩窟で有名なハラインとか、ヴェルフェンとかを通ります。ザルツブルクに数日滞在することがあればこの辺りまで足を伸ばしてもいいかも。
ここからオーストリア南端のフィラッハまで、かなりの時間車内で座りっぱなしですが、今回の旅行で最大の絶景がこのルートでした。山を縫って走る電車からは、小さい町にぽつんと見える尖塔や小さな牧場、はたまた滝や川などなど、すばらしい景色のオンパレードで、見てて飽きることがありません。
フィラッハ到着
そして、揺られること4時間ほどでフィラッハに到着。
フィラッハは大きい教会がトレードマークの、蛇行する川を北に望んだ小さな街。駅前はザルツブルクと同じくそんなに良い印象を受けませんでしたが、街の中はいかにもヨーロッパの普通の街という感じ。むやみに観光化されていないところがまた良いですね。
街中を歩くのもほとんど地元の人っぽい雰囲気で、東洋人はいませんでした。ハルシュタットのアジア人率を味わってからここに来ると、まるで同じ国とも思えません。この辺りまで来るとようやく雨も止み、買い物に興じる人たちがたくさん。ヨーロッパはどこか日本に比べても街がのんびりしています。
途中住宅街に迷い込んで楽器店を発見したり(ショーウインドウに展示されていた楽器は日本メーカーだらけでした(笑))、地元の子どもに話しかけられたり、スロヴェニアに入る前の数時間をのんびり楽しみました。
一路スロヴェニアへ
さて、19時近くになり、一日数本しかない南行きの電車に乗ります。
この時点ですでにオーストリア連邦鉄道ではなく、スロヴェニア国鉄になってます。明らかにクオリティの落ちる車内。外観も落書きだらけだし、オーストリアとの資本力の差が出ているのか…。
ファーク・アム・ゼーというオーストリア最南端の駅を通過し、トンネルを抜けるとスロヴェニアに入ります。北端の街イェセニツェに近づいてきた時には、車窓からのあまりの差に仰天しました。トンネル一本でこうも変わるのは島国の日本では考えられないこと。旧ユーゴスラビアという肩書きは現在でも街並みに現れているなあ…としみじみ納得させるに十分な雰囲気です。
で、そのまま闇の中を電車は走り、途中Lesce Bledという駅を通ります。のちほどの旅程にも入っているブレッド湖の最寄り駅。随分と客が降りましたが、そのまま湖まで向かうのでしょうか。9時頃にスロヴェニアの首都、リュブリャナに到着。駅で降りるとすぐに若いカップルに話しかけられました。「何か困ったことはないか?」この国の人は本当に親切で、あとでタクシー乗り場を教えてもらったおばちゃんもいて、温かさが身にしみます。
この後、夜も遅いのでタクシーでホテルに向かいます。
リュブリャナ散策
翌朝、起きてみるとオーストリアでの雨が嘘のような晴れ。とりあえず着いたばかりのリュブリャナを散策……といっても散策に時間がかかるほどの大きな街でもなかったです。
土曜日の朝ということで、子ども連れの地元民やら観光客でごった返して人の数はかなりのものでしたが、別に人が多いから街が広くなるわけではなく、端から端までまっすぐ歩いて20分ほどで足りるぐらい。
見所は三本橋付近と、高台にそびえるリュブリャナ城ぐらいでしょうか。旧市街付近は美しいんですが、駅前や少し東側のチボリ公園付近(ホテルがこの辺りでした)まで行くと、落書きの数がすさまじく増えていき、あっという間に趣が失われます。ので、観光としては中心だけで十分でしょう。街自体も小さく、半日ぐらいで見て回れそうな感じです。
さてさて、僕らはこの後ポストイナ鍾乳洞へ向かいます。片田舎に大きく開くヨーロッパ最大級の洞窟とは。またまた電車で1時間半の旅。今回電車ばっかり乗ってるな…。