スウィープピッキング(sweep picking)の練習は、だいたいが3本弦を使う小さいものから始めて、その後6弦まで段階的に慣らしていくと、わりときれいにうまくなります。
右手は2弦までをダウン、1弦から返してアップで戻ってくるのが一般的な気がします。リッチー・コッツェンみたいに、返しはピッキングせずに左手のハンマリングだけで音を出す人も中にはいますので、握力に自信のある諸氏は試してみてください。なかなか音が出ないと思いますが。
スピードが速いことが絶対条件なので(遅いとオルタネイトで弾いた方がリズムがしっかりする)複雑そうに見えますが、基本的なところトライアドと呼ばれる3和音コード(ド・ミ・ソとかファ・ラ・ドとか)を高速で行ったり来たりしてるだけなので、ポジションの把握は容易。今回はそのポジションの紹介です。
↑動画が古くて申し訳ないですが…Jason Becker(ジェイソン・ベッカー)のAltitudesのアルペジオです。
ちなみに、5,6弦スウィープのみの紹介に見えますが、1〜3弦だけを拾うと3本弦、1〜4弦を拾うと4本弦スウィープとしても使えます。
メジャーコード・5弦ルート
5弦ルートなので、基本的には6弦は弾きません。(弾くケースもありますが)なので、必然的に5弦スウィープとなります。
この形はオープンコード”C”の形をずらしたもの。省略コードなどでもよく使う形。小指スタートで、比較的弾きやすい運指になります。
これは上の動画でも使っているポジション。中指スタートで、薬指で3本分一気に押さえながら音を出します。ルートから見て、右側のポジションに広がっているので、前の形にくらべて音域が広いです。
派生型
3度の音を5弦に持ってきたバージョン。ルートを人差し指、3度は小指で弾くことになると思いますが、個人的には指の形がキビシイ感じです。僕は使わないです。
メジャーコード・6弦ルート
6弦ルートで一番使われるのはこの形でしょう。特に上は鉄板。下の図はさっきの派生型と同じ考え方ですが、3度が6弦に来てるだけで急に難しくなるので、実用的には微妙。小指を6弦まで持ってくるのは、ストラップが低い人にとってはほぼ不可能です。
マイナーコード・5弦ルート
マイナーコードはメジャーに比べて3度が半音下がるのみ。ですが、6本弦で、さらに2~3弦間のチューニングがイレギュラーなギターにとっては、面倒なポジションの変化があります。
これは上の「メジャー5弦ルート」の最初に出てきたもののマイナーコードバージョン。上のと同じく小指スタートで比較的弾きやすい。
いわゆるバレーコードのマイナーフォームに近い形なので、覚えやすいポジション。薬指で2本いっぺんに押さえていくのは難しいですが、把握はしやすいです。
派生型
上のものの3度を4弦にもってきたもの。イングヴェイがこれで弾いているようです。中→人→小指で2本…は人によっては困難。薬指にする方がいいか。
マイナーコード・6弦ルート
これも6弦ルートのバレーコードと近い形なので、把握しやすいです。上の5弦ルートが弾ける人なら、あまり苦労せずに弾けるんじゃないかと。
派生型
こちらはうってかわって違う形をしています。小→中→人→薬→中→人 の順で弾きますが、4弦から3弦に渡るところで、きわどいポジションチェンジがあります。当然難易度は高めですが、一音一音は上のものよりしっかり分離します。一番上の動画でも至る所で使用。トニー・マカパインがこれで弾いていたとのこと。
マイナーコード・複合型
最後は上記ポジションを移動しながら弾くもの。「マイナー・6弦ルート」から「マイナー・5弦ルート」へ。赤矢印のところは人差し指でスライドするのがいいです。某ヤング●ター誌にアンディ・ティモンズが紹介していたもの。おしゃれなフレーズをたくさん持ってる彼にしては、シンプルなトライアドです。当然音域がこの中でも一番広いので、大技として効果的ですし、スウィープの練習としてもうってつけです。
もちろんメジャーコード系でも同じようなことが出来ますし、マイナーからメジャーへいったりもできます。
まとめ
だいたいこんなところがよく使われるポジションじゃないでしょうか。トライアドのスウィープは1度出来るようになると、わりといつでも使えるようになるので、ポジションの把握が難しいタッピングとかに比べても、会得する価値は上だと思います。
トライアドに飽きて、もう少し難しいスウィープがやりたくなったら、4和音のスウィープをチェックしてみてください。