少し前にKomplete9を導入したのを機に、日頃あんまり作らない民族音楽的なものを作ろうと思い立ちました。
きっかけとなったのはこの音源。
これがかなり好みのいい響きを持っていたので、これをベースとして使い、泥臭いものをつくってやろうかと思い立ったわけです。
WEST AFRICA音源にはPettern Playerという、リズムパターンを何種類も組んでくれているものがありますが、今回は自分で打ち込みました。
これにタンバリンなどを重ねてベースのリズムを作ります。
カリンバ
アフリカといえばカリンバ。指先で金属の芯のようなものをはじいて音を出す楽器ですが、入れるだけでアフリカを感じさせるサウンドに近づきます。
わりと色んな所で見る楽器で、下手したらアフリカン雑貨専門店なんかに置いてあったりもします。TOTOの「アフリカ」にはこれを模したサウンドが入っており、Earth,Wind & Fireは「In the Marketplace」という前奏曲で、これの生音をそのまま取り入れています。
Kontaktでは地方特有の楽器がWorldというカテゴリに収められていますが、どれもなかなかの出来。
アイリッシュフルート、フィドル
アフリカのリズムにアイリッシュって、非常におかしいんですが、そこは「民族音楽的な」という適当なカテゴリ付けで勘弁してもらいます。アフリカのジャンベ奏者とアイルランド移民がアメリカで出会った、とかいう設定にしておけば無問題。
アイリッシュフルートも前述のKontaktライブラリに入ってるのを使用。笛系などの楽器では、左下のArticulationタブに表記された、いくつかのアーティキュレーションを発生させられます。発音しながら、演奏で使わない特定のキー(C0とかDb0とか)を叩くことで、しゃくったような独特の響きが得られます。打ち込んで鳴らしたものがこれ。
フィドルというとヴァイオリンのことですが、とくにカントリーなどで使う際にはフィドルと呼び、ヴァイオリンにくらべると下品な弾き方鳴らし方をして使うのが特徴。ヴァイオリンよりも図太く粗い音にすると雰囲気がでるんですが、fiddleもWorldカテゴリに入ってます。
このフィドル音色だけは今回使った中でもいまいち満足いってないんですが、ヴァイオリンにすると優雅になりすぎるし、ほかに適当な音もなかったので、まあこれで我慢。どうせユニゾンさせるので細かい所はわかりにくくなります。
笛とユニゾンさせる際には、タイミングや音の切れが全く一緒だと不自然なので、少しそれを変えてやります。さらにはピッチをやや適当にするため、Randomize機能でピッチをセント単位でランダムに変化させました。赤い四角で囲ってあるのがそれです。
その他・仕上げ
その他、ブズーキ系音色でアルペジオを入れたりしながら、最後にアコギを録音しました。「コード作曲法」「コード編曲法」著者の藤巻浩氏が言っていたことですが、「他は全部打ち込みでも、ひとつ生楽器がはいると打ち込み臭がかなり薄れる」とのこと。アコギはマイクで録っても良かったんですが、今回は気楽にZOOM A3でライン録音。
リヴァーブはLogic付属のSpace Designerで「Forest Echo」なるものを選択。森林的な雰囲気を出すにはうってつけのプリセットです。
その後Apple Loopから鳥の鳴き声などをリバーブいっぱいに追加して、完成。
[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/165176439″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]今回はKompleteのライブラリを試すため、民族音楽的な音色を色々探ってみましたが、さすがに定番中の定番だけあって、高品質なものが揃ってます。
これ以外何の音源も持っていない人も結構いると思うんですが、それで十分と思わせる品質と量がやはりあるわけですね。