先日中古で購入したCarvin BOLT-Tのイエローですが、内部の配線をいじったり、スイッチを増設したり、色々と実験を繰り返しています。
そんな中でひとつ特筆すべき改造が、ギターのアクティブ化でして、内部にプリアンプを増設し、電池で動かして運用しようという発想。
アクティブ化とは
ギターのアクティブ化は電池が必要となるという手痛いデメリットこそありますが、元々か弱い信号である電気信号をシールド以前に強靱なものに出来るというメリットがあります。
エレクトリックギターの発音原理は、弦の振動をピックアップのマグネットで微弱な電気信号に換えて、それをシールド伝いにアンプへと送り込むというもの。元々が微弱な信号だけに、ノイズなどに非常に弱いという性質があります。故に長いシールドを通過する際、音質劣化を免れ得ないとされています。
プリアンプやバッファーと呼ばれるものは、その微弱な信号をより強靱なものへと変化させる性質があるために、シールドを通る前のボディ内でそれが出来れば、音質劣化は最低限にとどめることができる、というのがアクティブ化のそもそもの発想です。ベースではかなりスタンダードな手法ですが、ギターではEMGのピックアップぐらいでしか見られない、馴染みの薄いやり方ですね。
今回はEMGのPA2というブースターを内蔵することにしました。
サウンドハウスで3,600円という最安価な内蔵用ブースターです。
取り付けてみる
箱を空けると、本体と接続用ケーブル、そしてマニュアルがはいってます。
まず付ける前に穴を空けねばなりません。ボディに穴を空ける場合は回復不能になるので慎重になりますが、ピックガードに配線が張り付いているストラトタイプは、思い切りよくいけます。
接続用ケーブルは端子がワンタッチで接続出来るようになっているように見えますが、実際のところ、EMG以外のパッシブピックアップで装着するには、普通の半田付けが必要。マニュアルはEMGピックアップに装着する例しか載っていないという役立たず仕様なのですが、良い感じのサイトを発見しました。
UG Community @ UltimateGuitarTab.com – PA2 wiring on passive pickup
ボリュームポットからWHITEへ入れ、GREENからジャックのアウトに。REDはバッテリースナップへ行き、残りはグランド。線を剥きながら半田で付けていきます。
ここからは必死になってて、写真がありませんが、狭いキャビティの中、何とか電池を平たく収め、線を繋いでいきました。そして何とか接続完了。
音の所感
後ろに付いている半可変抵抗器をプラスドライバーで回し、ゲインをセッティングします。あとはレバースイッチでオンオフ切替。僕の場合、ソロ時にブーストするという感じではなく、常時ONを想定しているので、気持ち控えめにセッティング。
音を聞いた第一印象としては、音が前に出るといった感じ。まぁ、当たり前か。
よく聴くと中高音に掛けてがややせり出してくる印象で、Hi-Midがブーストされると言えばいいでしょうか。ゲインは最大幅まで上げると猛烈なブーストとなり、アンプのゲインが数割増しになるぐらいの威力があります。
実際の所、製品の使い方としては思い切ったブーストという使い方が想定されているようで、ソロ時でのブーストが前提として作られている印象です。Hi-Midが持ち上がるのも、リフを刻んでいる音から一転ソロに切り替えた際に音抜けを良くさせるためでしょう。
というわけで、常時ONでクリーンな信号を得て曇りの無い歪み音を得ようとした試みとしては、もう一つ製品の選択ミスだった感が否めません。ソロ時のブースターとしてはかなり優秀な印象なので、手元でその辺コントロールしたいという方にはうってつけではないでしょうか。