西欧3カ国を巡る旅・その3「スイス・ベルン〜フランス・ストラスブール」

ユングフラウのふもとに当たるラウターブルンネンから、いよいよ離れます。インターラーケンまで電車で戻ると、いよいよこの偉大なる大絶景ともお別れ。

ラウターブルンネン〜インターラーケン 車窓より
ラウターブルンネン〜インターラーケン 車窓より

インターラーケンからベルンへ

ベルンへと至るルートはいくつかありますが、ここは時刻表から一番早いものを選び出し、湖の西側Spiezシュピーツを経由するルートに決定。駅前の中華料理屋で昼ご飯を調達し、湖沿いの絶景ルートをスイスパスを使って移動します。途中には有名なトゥーン湖があり、そのほとりは非常に美しいです。

トゥーンというそのものの名の駅も通りますが、湖の上にぽつんと館のようなものが建っており、非常に趣のある雰囲気。スイスはどこを移動してもこんな雰囲気で、もう圧巻です。

車窓から見えるトゥーン湖
車窓から見えるトゥーン湖

やがてベルンが近づいてくると、それまでの大自然を思わせる風景から急に中世ヨーロッパ風味の雰囲気が色濃くなってきます。そうなればベルン駅はまもなく到着ですが、駅自体は非常に近代的なデザインになっており、少し驚きます。

ベルン到着

駅前で開いているマルシェでは野菜が随分と安く売られています。欧州ではスイスみたいな物価の高い国でも、食料品だけは非常に安くて驚くことが多々ありますね。ここでは帰りにトマトとチーズを購入。どちらも非常に美味しかったです。

駅前マルシェにて
駅前マルシェにて

ベルンはスイスらしく時計塔が有名な中規模な街。この日、シンボルでもあるベルン大聖堂は工事中で外観さえもまともに拝めない状況でした。こればかりは仕方ないとはいえ、残念そのもの。

大聖堂のふもとのところにはちいさな公園が広がっており、ベルンを取り巻くアーレ川と街並みの対比が美しいです。街自体は狭く、駅からまっすぐ東へと歩くと端っこまでゆっくり歩いても、せいぜい1時間強といったところでしょうか。橋をわたると旧市街からはすぐ抜けてしまいます。抜けてすぐのところに、街の名前の由来ともなった熊が飼われています。

大聖堂はあいにくの工事中
大聖堂はあいにくの工事中
アーレ川を臨む、この風景はベルンならでは
アーレ川を臨む、この風景はベルンならでは
ベルン旧市街・その1、一番奥が時計塔
ベルン旧市街・その1、一番奥が時計塔

ベルンはざっと回っただけに終始して、そんなに長い時間を割いたわけではないのですが、それを差し引いても前日までの圧倒的大自然の持つ凄さに比べると、印象が薄かったのは否定できません。

同じ中世の雰囲気を残す中規模な街にしても、たとえばプラハのような歴史を感じさせる重厚さ、ウィーンのような華やぎに比べると、あまり個性が感じられなかったのが事実。別に悪いわけでは無いのですが、どうせスイスに行くならもっと素晴らしいところがごまんとあるんじゃないだろうかという印象です。

時計塔のつくりはプラハの物とよく似ています。
時計塔のつくりはプラハの物とよく似ています。
ベルン旧市街・その2
ベルン旧市街・その2

北端のバーゼルへ

さて、このあとどこへ向かったかというと、スイス北端の街バーゼル。日本ではサッカーで有名な街の名ですが、ここからはドイツ方面、フランス方面と電車が出ています。ドイツ方面は通称「黒い森鉄道」、フランス方面は「アルザス鉄道」。今回はフランス・アルザス地方の首都ストラスブールへ向かいました。初日にチューリッヒで預けた荷物もここで回収。ファストバゲージ、おすすめです。

バーゼルの駅は意外にも重厚な駅舎で、人も多く行き交い、国境ならではのせわしなさを少し感じる構内です。フランス鉄道を探していくと、FRANCEという文字が書かれた、恐ろしく安っぽいゲートを発見。この貧乏くささはスイスにはなかったものです。

アムステルダムの空港からチューリッヒに移動したときにも感じましたが、やはりスイスの国民一人当たりの経済力は相当高いのだろうと思わせます。

FRANCEのゲート。ガラス割れてるやん…
FRANCEのゲート。ガラス割れてるやん…
一路ストラスブールへ
一路ストラスブールへ

フランス入り〜ストラスブール到着

さて、電車に乗ってしまえば、あとはののんびりした旅。フランスの鉄道はライン川に沿って、アルザスの美しいブドウ畑の中を走って行きます。たまに車窓から小さな集落がいくつか見えますが、それこそがフランスで最も美しい村々が点在する、アルザスの集落ということでしょう。次の日に訪れる予定のその村々に思いを馳せながら、電車は黙々と走って行きます。

途中の駅で色んな人が乗り込んできますが、仕事帰りの人が多い印象です。アジア人などは自分たちだけでした。多分アルザスに来る人たちはみんなパリ方面から来るんでしょうね。

車窓から眺める、アルザス地方
車窓から眺める、アルザス地方

ミュールーズ、コルマール、セレスタと、アルザスの名だたる街を途中停車しながらおよそストラスブールまでは1時間強。

ストラスブールにつくと、その駅の地下に降り、トラムに乗車。ここのトラムはなぜか地下も走っている、変わった構造になっています。その後、トラムで10駅近くも走り抜け、その日の宿に到着しました。Hotel Le Dominoという、かわいらしいホテル。良い雰囲気の住宅街の中にあり、ビジネスマンが出張で何人も泊まっていたわりには、せわしなさはなかったです。フランスならではというべきかもしれません。

それにしても、このストラスブール南部にある住宅街は今まで見てきたあらゆる住宅街でも、最高の雰囲気でした。静かでお洒落な家が建ち並び、運河とその街路樹の対比が美しく、大型スーパーまであるという利便性。できればこんな所に住んでみたいと本気で思えるほどでしたが、日本に居る限りは特に二つ目の条件が難しそう。

さて、次の日はツアーを利用して、アルザスの集落巡りです。