今さらFUJIFILM X-E3を購入した話

発売後にもう3年近く経つフジフイルムX-E3、今頃購入しました。新モデル発表が近いのか、キャッシュバックをやっており、それが引き金になっています。

直接の動機

5年ほど前にX-E1という、Eシリーズの初期モデルを使っており、それとニコンのD7100を持ち出してポルトガルに旅行に行ったことがありました。

同じ街を両方で撮影する機会がそれなりにあったのですが、フジフィルムの方が好ましく感じられることが多く、これが後にニコンのD750を導入するきっかけになっています。(一眼レフをフルフレームにして、APS-C専用としてフジを運用しようかという発想)

X-E1で撮ったポルトガル・ポルト
X-E1で撮ったポルトガル・ギマランイス

動作が遅く操作性の悪かったX-E1

X-E1は描写という点で、すでに今に続く優れたものを持っており、フィルムシミュレーションなどはこの時点でもう完成されていると思えるほどでした。

しかし、操作性が悪く、動作がもっさりしていて、メインで使っていくには辛いものがありました。結局、お金に困ったときに後に新型機を買い直すつもりで、レンズのみ残して本体は売りに出しました。これが後にX-E3を使う伏線となったわけです。

X-Aシリーズでない理由

Aシリーズとの違いは結局ファインダーの有無です。他にも色々ありますが、やはりファインダーはでかい。

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まぶしいときに撮りやすくなるという理由以上にこれは気分によるものが大きく、ファインダーを覗くことで、身体と心が写真を撮るモードに入っていけるというか。撮影をよく「切り取る」と表現しますが、ファインダーを覗いて撮ることで、その切り取る感覚を自分の中に取り戻すことができます。

この辺は日常的にファインダーを覗いて撮影している人には共感してもらえるのではないかと。逆にファインダーにこだわらなければAシリーズで十分でしょう。

1/30 F11

X-E3の優れたところ

描写が抜群

わざわざマニアックなフジのカメラを使っている人は、ほとんどがここを要と感じているはず。

特にRAWではなくJPGでのいわゆる”撮って出し”に特化したフィルムシミュレーションの完成度は群を抜いています。個人的には追加されたクラシッククロームが良いですね。シャドウの値を少し上げ目にして撮ると、淡い色彩のなか陰影のくっきりした見事な光と影の描写が楽しめます。

フィルムシミュレーション “クラシッククローム”
フィルムシミュレーション “ベルビア”
1/250 F10 クラシッククローム シャドウトーン+2

スワイプによる設定

背面液晶をスワイプして設定を変えられるのは、慣れると地味に便利。それと上部にあるFn(ファンクション)ボタンで都合5つの項目を瞬時に決められます。

5つの項目がワンタッチで変更できる

僕はよくいじるのがホワイトバランス、ISO、フィルムシミュレーションなので、この3つをFn、右スワイプ、左スワイプに設定しています。

小さくて軽い

本体が300gちょっとで、レンズ次第では500gを切る軽量。サイズも小さめなので、いつでもどこにでも持っていけます。

この小ささをいかしたいので、ハンドストラップで運用中。ケースもシンプルなものを付けてそのままカバンに放り込んでます。片手で持ちながら街をぶらぶらできるので、スナップに最適。

with FUJINON XF18-55 F2.8-4

USBでの充電

Micro USBでの充電に対応。昨今では当たり前の機能ではありますが、電池の保ちは良くも悪くもなしといったところで、一日中撮り歩こうというのであれば、モバイルバッテリーを持ち歩くことでわりといけます。充電器自体は付属してるので、今まで通りバッテリーを取り外して充電することもできます。

あまりよくないところ

動かない液晶

これは価格コムの掲示板のみならずあらゆるところで言われているところで、今どきチルト、バリアングルでない固定式液晶は珍しい。

地面すれすれのアングルや持ち上げてのアングルなどで威力を発揮しますが、耐久性の観点から無い方が良いという意見もありますね。個人的にはやはり欲しい…。

モード切替しにくい

普通に撮ってると絞り優先、シャッター優先のどちらかがほとんどになると思うんですが、この両者の行き来が非常に面倒くさい。

特に絞りリングのないXCレンズでは、絞り優先→シャッター優先の切替が「一旦絞り値を最大まで上げてオートにして、さらに本体上部のシャッターダイヤルを回す」という絶望的に面倒な作業を毎回やらねばなりません。もっとも、モードダイヤルがないのはXシリーズの理念に近いものなので、このシリーズにおいてこれを言うのは無粋かもしれませんが…。

XFレンズなら絞りオートが一発で切り替えられるのだが…

というわけで…

露骨にM型ライカを連想させるレンジファインダー風デザインや、APS-Cならではの機動性と画質のバランスは、ハマる人にはこれ以上ない魅力です。ルックス的にオールドレンズを付けて遊ぶのも一興でしょう。

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オールドレンズ(ロシア製Jupiter)で撮影

反面、Xマウントのレンズは展開に乏しく、標準域以外の選択肢もかなり少ないのが現状。望遠や超広角などは本体とのバランスも悪く、基本スナップやポートレイト専用機と割り切った方が幸せになれるでしょうね。

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