Amplitubeはver5以降、VIR(Volumetric Impulse Response)という新技術を使っているらしく、4までの中途半端なサウンドをさらにブラッシュアップしています。今回はそんなAmplitube純正といえるキャビネット・シミュレーションと、有料のIRファイルを比較した記事です。
実験で使ったアンプモデル
今回は個人的にバッキングの音色によく使う「Marshall Silver Jubilee」のモデリング”Brit Silver”を使用。ジャキジャキっとしたマーシャル特有のサウンドで、JCM800系などよりも深い歪みが特徴です。
純正キャビネット
いわゆる”Amplitubeの音”という感じがします。マイクの位置やEQなどで追い込めばまだまだいけそうな気もしますが、奥行きはあまり感じられずやや平坦。とはいえ、メタル系やギターインストなど、全面にギターが押し出されるような音楽でなければ十二分です。
Celestion “Vintage 30 4×12”
スピーカーの大御所Celestionの公式IR。選んだものがまずかったか、えらく高域がジャキジャキしてます。その分、後ろのふくよかさや奥行きも格段に増していて、さすがにCelestion公式です。
画像の通り、SM57とSennheiser MD421のミックスのようですが、マイクの組み合わせだけでもえらい数のファイルがあり、ジャキジャキしすぎないものもあります。というかありました。ファイルを一つずつ全部試したら理想の音にもたどり着けるでしょう。念入りに試したら3ヶ月ぐらい掛かりそうですが。
Ownhammer “Rock-Box H30L”
Ownhammer独自のキャビネットIR。2011年製Celestionスピーカーを意図して制作されているらしく、音像も少し似ています。Classic、Modernとその間を取ったBlemdという3種類のキャビネットモデルがあり、今回はBlendを選択。マイクポジションも1〜5のうち、もっとも汎用性が高いとして公式におすすめしている3を選択。今回の実験では一番好みの質感です。
https://www.ownhammer.com/store/
ML SOUND LAB “Sure-212”
Pete Thorn氏のSuhrアンプをモチーフとしたIR。リードギター用として前にML SOUND LABから購入しました。スピーカーはこちらもCelestionのようです。今回の実験の中では唯一の2×12なため音像は少しコンパクト。暴れている部分を感じず、この中では一番優等生なサウンドで、やはり昨今のモダンなインストなどに向いている印象。
まとめ
やはり有料IRは素晴らしい格の違いを感じます。多分純正でもセッティングなどを突き詰めることでそこそこのところまでは追い込めるとは思いますが、有料サードパーティ製品はなんのセッティングもなしに、適用するだけで極上の音に変貌するので、大変気楽です。時間をむやみに使うならポンと一つ買ってしまったほうが幸せになれるかも。まぁ、試行錯誤している時間も楽しいんですけどね。
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