ペンタトニック発のドリアンフレーズ
ここからは音ネタが欲しいところなので、そろそろ冒頭に登場したContusionのソロに登場してもらいます。上のメニューにソロを抜粋したもの、アドリブ講座コーナートップに動画が出てます。
弾いてる自分でいうのもなんですが、普通に弾くだけでもけっこう難しいです。いちおう、ドリアン・スケールの音列から考え得る多種多様な音列をかたっぱしから盛り込んだつもりなので、自分なりの料理を試みてもらえれば、面白いものが出来てくると思います。
ソロのkeyがAmではないので、C#mのドリアンの表も載せます。
↑C#ドリアン・スケール(並行移動しただけです…)
ちなみに5弦ルートはルートが4fに来るオクターブ下verの方が馴染みがありますが、今回のソロでは上の方ばかりつかっているので、あえてこういう表記にしました。
で、ソロのコード進行ですが…
C#m7 × 8小節→
Cm7 × 4小節→
C#m7 × 4小節
という感じです。
さて、実際に音を使う際には前の章の最後で述べたように、ペンタトニックの音を使いながらうまくドリアン特有のM6thと9th(2ndと同じですが、9thというのが一般的なので、そっちを使います)を混ぜるというのが理想的ですが、その際に特にM6thの音を強調すると良い感じになります。M6thの音は上図(Aドリアン・スケール)の赤丸部分なので、それを強調するという方法です。
実践してみよう
さてさて、右側メニューに置いてるソロからの抜粋フレーズを紹介。キーは全部C#マイナーです。
(p1 2段目 0:06〜)
この方法はスティーヴ・ヴァイなんかも使っていたりしますが、M6th(ここでは2弦11f)を半音Choで上げてペンタトニック内のm7thの音にします。この時M6thは装飾音符程度の長さではなく、かといって長すぎもしない程度にめざとく音を出せば効果的です。逆にスライドで下がってきたりするのもあり。
(p4 1段目 0:49〜)
ペンタトニック感はみじんも感じられませんが(笑)ペダル的フレーズの中に1弦18fのM6thの音が入ることで、マイナー臭くなりすぎるのを防いでいます。この手のフレーズを普通のマイナースケールでやると、メタル系のギタリストに近い雰囲気になります。それはそれで魅力的なんですが、この曲には合わないということで。
(p1 3段目 0:12〜)
このフレーズは僕が非常によく使うものの一つです。3弦の9フレットからひとつ下にずれることで、M6thの音に入りこみます。一番上で言ってるスライドで下がってきたりするパターンですかね。のちにコードトーンをぶち込む項目でもこの部分は出てきます。
…と、僕はこんな感じで使っています。ペンタトニック感が薄い二つ目みたいな例もありますが、あくまでペンタトニックスケールを追って、その隙間にうまくいれてやるという感覚での使い方が一番簡単かつ効果的だと思います。それを繰り返すうち、見えなかった部分も見えるようになって、プレイの幅が広がります。