3ヶ月ほど前、摩耗してへとへとになったギターを此花区のハイエンドミュージックに持ち込み「ステンレスフレットに換えて下さい」といって預けてきました。
ギターリペア・ギター修理専門店|大阪のハイエンドミュージック
フレットの摩耗
アコギなんかだとオープンコードをおもに押さえるので、分かりやすい削れ方をします。
これはサブのストラトですが、このフレットは明らかに寿命を迎えつつありますね…。
エレキでしかも僕のようなチョーキング多用、ヴィブラートが深いスタイルだと全体的に均一に減ってきて、あまりえぐれた感じがないので、見た目にわかりにくいんですね。だらだら弾いてて、気がついた時にはえらく弾きにくい、という状態になってきます。
今回メインのSagoカスタムがそんな感じになったため、ステンレスフレットへの変更を敢行しました。
よく言われるステンレスの欠点
ステンレスはネット上では賛否あります。
フレットは主にニッケルが多いですが、それに比べて
・音が硬くなる
・高音がぎらつく
などが主に否定的な意見として多いです。
確かに硬度が増すということは十分にあり得る話。開放弦以外であれば、弦はブリッジとフレットで支えられるんだから、音色には確実に影響するはずです。
しかし、実際に試した映像や音声は無いのも事実。そりゃ同じギターのフレットの差なんぞ比較できるわけもありません。減りにへったニッケルのフレットと新品のステンレスを比べるのは無意味だし、逆もまた然りです。
同じクラフトマンが比較のためだけに二度新品にフレットを貼り替えれば近い比較が出来ますが、もはや労力の無駄使いでしかないでしょう。これはシールドを取っ替えるのとは訳が違うのです。
ステンレスフレットのすすめ
今回実際に換えてみましたが、個人的にはステンレスを推したいところです。気になる高音のぎらつきですが、ほぼ感じられません。昔に録音した音源と再度聞き比べてみても、さほどの差を感じることはできませんでした。
この程度のほんの微弱な差よりもメリットを重視したいところです。メリットとしては…
・減りが遅い
・常にキラキラ
・摩擦が少ないのでヴィブラートなど掛けやすい
この辺りが挙げられます。
上2つはステンレスのメリットとしてはよく言われること。個人的には一番下がけっこう大きいかなと思います。ヴィブラートやチョーキングがやり易いというのは、音色や表情付けなどのコントロールがより容易にできるということで、メロディーを弾く際の表現力に直結します。より省エネで弾けるというのも大きいですね。脱力につなげることができます。
問題は工賃がおよそ一万程度高くなることですが、これは上2つのメリットで相殺できます。
というわけで、未だに少数派なステンレスフレットですが、よほどヴィンテージ系にこだわりでもないのであれば、おすすめできます。今後ますます浸透してくんじゃないかと思います。