John Lennon「Happy X’mas (War Is Over)」を弾いてオープンコードを究める

本日12/8はジョン・レノンの命日でもあり、クリスマスが近いこともあり、この曲は街中の至る所で耳にします。

この曲はアコギのストロークから始まることもあり、ギター弾きにも人気の高い一曲ですが、ちゃんとコピーしている人は存外少ない模様。それもあって、少し突っ込んだ解説をしてみようと思います。

曲の全貌

John Lennon - Happy Xmas War is over (AG)

曲の全貌がこれ。随分と短いです。繰り返しは三回やった後、Aの部分をリピートしながらフェードアウトちっくな終わり方をします。Cの部分はギターはほぼ聞こえないので、ストロークは適当に。

A部分(Key in A)

A - Aadd9 - Asus4
A – Aadd9 – Asus4
Aのadd9とsus4を混ぜた動きは定番中の定番。アコギ弾きなら一度はやっているはず。Aは人中薬で抑えておくのがベターか。

Bm7 - Bm7(9) - B7sus4
Bm7 – Bm7(9) – B7sus4
B7sus4が結構きついフォーム。元よりバレーコードしたまま一部を変えていくのはしんどいですが、2弦の動きがミソなだけに、2弦だけは何とか音を出したいところです。

E7sus4 - E7 - E7(9)
E7sus4 – E7 – E7(9)
E7(9)というと普通は違う形をつかうのですが、ここではこの形を使うのが前後関係と曲に合っています。7thの音が鳴っていないので、どちらかというとEadd9というのが正解でしょう。フォーム的に一番きつい箇所ですが、うまく出ると非常に綺麗な響きなので、がんばって出してください。

 

B部分(Key in D)

D - Dadd9 - Dsus4
D – Dadd9 – Dsus4
これまたアコギの定番。Dの場合はこれに加えて、1弦から3弦にかけて5f-3f-2fと押さえるフォームが登場することがあります。ポール・マッカートニーの「Mother Nature’s Son」などをコピーしたことがあれば、これに死ぬほど出会っていることでしょう。

Em7 - Em7(9) - E7sus4
Em7 – Em7(9) – E7sus4
Em7は中指でいきますが、人差し指でも良いです。Em7(9)はこれまた玄妙な響き。ポリスの有名曲で登場するコードです。

A7sus4 - A7 - A7(9)
A7sus4 – A7 – A7(9)
A7(9)は普通は違うコードを押さえますが、ここではオープンコードなので、このようになります。A7とAadd9のドッキングと解釈するとわかりやすい。E7(9)の時とは違い、こちらは7thは鳴っていますが、代わりに3rdが鳴っていません。アコギのadd9は3rdを犠牲にしているものが多いです。

 

まとめ

A→B→Cと4度ずつ転調し、最後は女声コーラスや子どもの声も入り、大盛り上がり。転調のせいでコードもそれなりにたくさん登場し、アコギ中級者ぐらいの方にはうってつけの題材になりそうです。

二回も転調した分を取り返すように、最後にE7が来て最初のAに戻りますが、響き的にはごく自然。ビートルズ後期に見られる複雑怪奇なコード進行は影を潜め、一度聴いたら忘れられないメロディの美しい名曲にしあがっていますね。「Woman」などにも言えることですが、親しみやすい雰囲気を纏っているのに、曲全体が安っぽくなっていないのはまさに奇跡的。今夜はウイスキーでも飲みながら稀代のメロディメイカーを追悼したいと思います。