先日スマホを、史上唯一まともなFREETEL REIに替えたことを受けて、音楽ファイルのクラウド化を行いました。音楽のライブラリをクラウドにあげておけば、わざわざ100GBものデータを持ち歩く必要がなくなり、色んな端末でアクセスできます。
現時点ではこれが出来るのは以下。
Apple Music | 980円/月 | 配信曲の聴き放題&ライブラリのクラウド化 |
iTunes Match | 3,980円/年 | ライブラリの保存のみ |
Google Play Music有料 | 980円/月 | 配信曲の聴き放題&ライブラリのクラウド化 |
Google Play Music無料 | 無料 | ライブラリの保存のみ |
一番下だけ金がかかりません。ちなみに、Googleフォトの衝撃に比べて、「写真.app」における写真データのクラウド保存についても一定以上容量は有料。この辺、AppleはGoogleに全く追いついていないようです。
今年に入った辺りから有料アカウントだったApple Musicは、結局あまり使わず。この際解約し、代わりに一番下のGoogle Play Music無料アカウントでのクラウド保存を試してみました。
Chrome以外はMusic Managerをダウンロード
Chromeだとブラウザ本体に音楽ファイルのアップロード機能が備わっています。それ以外のブラウザではアップロード機能を備えていないので、Music Managerというソフトを別途落とし、それを使ってアップロードします。僕もブラウザはSafariなので、こちらのパターン。母艦であるiTunesのライブラリをそのままにアップロードしてくれるので、超便利。
今回、全音楽ファイルを一挙にアップロードしたわけですが、18,000曲ぐらいありました。これだけ入れるのにおよそ20時間ぐらい掛かっています。寝て朝起きても、まだ半分も行っていないです。同じことをやろうとしている人は参考に。
ちなみに、曲数の下にアップロード出来なかった旨のエラーが表示されていますが、アップできるのはmp3のみ。wavやaiffは無理です。
文字化けを直す
IDタグをv2.3にして、日本語の文字化けを直します。ちなみに文字化けはスマホのアプリのみ。ブラウザでは正常に表示されます。
iTunesならば、該当曲を全選択して「ファイル – 変換」から行けます。
あとは、待っているだけで更新された楽曲がアップロードされます。
これで日本語は大体オッケーなんですが、どうも、クラシックに使われているチェコ語がダメな模様。
正しくは「István Kertész: Israel P.O.」。色々試しましたが、結局治りませんでした。MP3Tagというソフトを使う方法もあるようですが、一曲ずつの変換にも骨が折れるので、結局ほったらかし。さすがにヨーロッパ系が全アウトってことはありえないと思うので、これについては何か一発解決の方法がありそうなもんです。引き続き探してみます。
同アルバム名における「アルバムアーティスト」問題
iTunesから移行した場合の問題として、別のアーティストでアルバム名が同じものが、なぜか統合して表示されます。
これのせいで、アルバム単位で聴けないという事案が発生。「Greatest Hits」などを調べるとひどいことが起こっています。
アルバム名ってのはアーティスト名の下層に位置する、従属的な情報だと思うんですが、どうやらGoogleさんはそう思っていないようで、「アルバムアーティスト」という別項目を埋めていないと、同じ名前のアルバムは全てコンピレーション扱いになるようです。
iTunesではアーティスト名カテゴリにおいて、「アーティスト」を基本として表示し、複数アーティストが混ざり合うVarious Artistsのアルバムなどにのみ「アルバムアーティスト」を適用して、そちらを利用できるようになっています。ゆえに、iTunesでの「アルバムアーティスト」はほとんどの場合空欄。それをそのまま送り込んだときにこれが起こる模様です。
Googleの仕様だから仕方ないのかもしれませんが、もうすこし考えて欲しいところ。直すにはブラウザ上でちまちま手動編集しか手がないようです。
ブラウザプレーヤーはそこそこ、アプリは詰めが甘い
ブラウザプレーヤー
PCからだとブラウザから聴かなくてはなりません。iTunesのように別のソフトを提供してくれるとありがたいんですが、どうもそこはカバーしない模様。ブラウザ上で聴く限り、特に問題なく再生できるし、アーティストの欄にいちいちWikipediaからのアーティスト情報を載せてくれるのもGoogleらしいです。プレイリストなどの使い勝手もiTunesなどと大差ない感じ。
その分、そもそもがウェブ閲覧のためのブラウザでは、早送りをキーで出来ないとか、EQ設定などもままなりません。
iOS版は専用アプリがあるので、iPhoneの人でも問題なく使えるようです。アプリ自体の出来はどうかしりませんが、GoogleはAppleみたいに底意地が悪くないので、iOS版だけ出来が極端に悪いってことは多分ないでしょう。恐らくAndroid版とほぼ同じ機能だと思うので、詳しくは下記を。
Android版アプリ
Androidのスマートフォンには、デフォルトでPlay Musicというのが入っています。そしてこのアプリは出来がよろしくないです。
ブラウザの時と同じく、アーティスト情報を載せてくれているのは面白いんですが、アーティストの欄がとりあえず見にくい。写真が占める面積が多く、大量表示に向きません。曲毎の表示も、とりあえず一画面あたりの情報量が極端に少ない。写真なんかいちいち要らんから多めに俯瞰したいのですが、表示画面もUIもロクに設定出来ないし、音楽再生アプリなのにEQなどもいじれません。
見栄えを意識しすぎるあまり、実用をないがしろにして、音楽をよく聴く人の利用を考えなさすぎている印象。
クラウド化はやはり便利
色々と書きましたが、大容量のデータを持ち歩かなくても良いのはやはり魅力。JRで田舎に行くときにトンネルで聴けないとか(うちの実家のことです)、ストリーミングならではの弱点はあるわけですが、普通に街中で過ごすのなら何の問題もなく聴ける状態にある場合がほとんどです。
とりあえずは、よく聴くアーティストのものはMicro SDに放り込んで、Power Ampで再生。それ以外はこちらに移行というハイブリッドなスタイルで行こうと思います。再生に特化したPower Ampはやはり断然使いやすいし、ローカルにファイルがある安心感というのもあります。
最後に〜定額有料配信に思うこと
Apple MusicもGoogle Play Music有料プランもですが、ライトユーザーは今どき音楽に金を払わないし、ヘビーリスナーからするとヒット曲ばかり3,500万曲も入れられても、自分の聴きたい物がなければ意味がないわけです。実際に僕も、聴きたいアルバムがタワーレコードにも置いてないような代物であることも多く、いくつも探してみたんですが、どうしても品薄感は否めません。
そういう意味で有料での聴き放題配信は、結構中途半端なんじゃないかと思います。スピッツのロビンソンを流してCMしてましたけど、スピッツが本当に好きな人は大抵のアルバムは持ってますよ。ロビンソンだけ聴きたい人はYouTube使うし。
そんなわけで、結局使わなくなったApple Musicを解約したわけですが、自分のライブラリのクラウド化ってのは、そういうヘビーリスナーにはもっとも打って付けじゃないかと思いますね。頼みの綱のiPod Classic 160GBが製造中止アナウンスされたとき、知り合いのミュージシャンで余分にもう一台買ってた人もいました。他に選択肢がないからです。
今後さらに増え続けるであろうライブラリを持ち出すのには、Micro SDの256GBを待つか、「アルバムアーティスト」にも対応しない時代遅れなiPod Classicにしがみつくか、クラウド化するか。一番最後のものが安上がりで現実的なのは言うまでもないでしょう。
プレイヤーのデザインやUI等を見て思うに、Googleが「音楽リスナー」という人種をまだよくわかっていない感覚はあります。プレーヤーの出来は初代iPodの時代から改良を重ねたAppleのiTunesと比べると、その差は歴然としてます。そもそもAppleはOSにデフォルトでGarage Bandが入ってたり、スティーヴィー・ワンダーが歌っているだけのCMを流したり、音楽家に敬意を払い続ける気風があるので余計にそう思うのでしょう。
しかし、これを無料で利用できるようにした、太っ腹な巨大サービスはGoogleならではでしょう。冒頭にも書きましたが、Googleフォトの衝撃も相当なものでした。Googleには引き続き改善を重ねてもらって、Appleとともに、音楽の世界を盛り上げていってほしいですね。