前編と同じく始めにソロギター動画を。全て自分でアレンジした上で弾いてます、と前編でお伝えしたとおりです。
途中3fと7fを同時に押さえるところはかなりきつそうに見えますが、実際にきついです。カポを4f辺りに付けるとだいぶ楽になります。
今回は解説用の譜面がかなり見にくいので、最初にできあがりの譜面を置いておきます。
Yesterday Once More ソロギターアレンジ譜
後編はコードの内声を入れるところの解説。アレンジの妙はここが要です。
前半部〜隙間を埋めるコード音を
【赤の四角】
ここがコードトーンを追加している部分。ここだけでなく、ほかにもあらゆる所に追加しています。前編に出てきたメロディだけの譜面と照らし合わせてもらえば一目瞭然。
メロディのない部分には、基本的にこういう音を入れて寂しくなりすぎないようにします。譜面づらで見るとやや入れすぎの感も多少ありますが、この辺は個人のさじ加減によります。コードトーンと聞くと少々難しく感じますが、基本的には普通のオープンコードの中から、メロディで使っていない音を拾えば十分。GやEmは開放弦が使えるので、難易度を下げられます。
Bm7とAm7の間に実際にはE7があるというのは前編でも指摘したとおり。この辺は僕自身のミスです。それをちゃんと入れるとこの部分のアレンジはまだ若干変わりますね。
【青の四角】
ここはいかにもギターっぽいフィルで埋めてみました。1弦までいってハンマリングやプリングをするのはアコギの常套手段。そのあとのAm7/D出だし部分のリズミカルなフィルは原曲にも存在するものです。
ちなみに、3段目のラストはコードを変えています。B7 → B7-9 = D#dim。ルートも弾きやすいように5弦2fから4弦4fに変更。完全にディミニッシュのポジションにしました。これはB7にテンションを入れただけのものですが、普通のB7でも十分なところです。実際に原曲ではB7のままです。
【緑の四角】
サビに行く前の重要な箇所です。m7thとルートで、ぶつかり気味の妙なハモリが付いてますが、かっこよかったのでそのまま入れました。
後半部〜印象的なカウンターメロディを再現
赤い四角の部分は、原曲でもかなり目立つカウンターメロディの部分。この曲を口ずさむと、ここを一緒に歌いたくなる人は多いと思います。
【1段目後半】
ここは原曲よりも1オクターブ下。原曲では歌の隙間に入りこむストリングスのメロディですが、ギター1本でこれを元の高さでやると、歌のメロディよりも存在感が上がってしまうので、このようにしました。単音では寂しかったのでハモリを付けています。
【2段目後半】
2段目は前編でも少し話題にしましたが、ベースが基本となって動いている部分です。ここは逆にオクターブ上でユニゾンを付けて目立たせてあります。
最後のD7のところで弾いている形は、Cコードをずらしただけの形。厳密なコードネームはD7(9,11)となりますが、名前を知っている人の方が少ないと思います。大体の人の感覚としては「D7の代わりとして使えるアコギのかっこいいコード」という位置づけでしょうか。
【3段目 D#dim】
2小節目EmM7/D#の後半にディミニッシュを放り込みました。これははまりが良かったので入れてみたという感じです。
ディミニッシュは特にセブンスコードの時に適当に入れるとびっくりするぐらいはまったりするので、何か違う要素が欲しいときは適当に入れて試してみるといいかもしれません。
【4段目最初】
一番最後のハーモニクスの部分は原曲ではギターで弾かれている部分。透明感が出るといいな、と思いハーモニクスにしましたが、おかげで難易度が跳ね上がりました。ここで録り直しを何度か迫られてます…。
右手だけでハーモニクスを出すのも普通はあまりやらないので、ここはただの開放弦で1オクターブ下で弾いても十分かも。
アレンジの際は方向性を明確にしよう
ソロギターのアレンジは出来ると楽しいものですが、どのぐらいいじくるかはひとそれぞれ。今回は原曲通りにちかいアレンジにしましたが、自分がよく知ってる曲ほど、それを崩しにくいものです。
コードアレンジがバシバシと出来る人、押尾コータローのコピーなどでリズミカルなアプローチが得意な人は、徹底的にいじって自分流にやっても楽しいと思います。もちろん弾ける範囲で無いと駄目なわけですが、どっちにしろ、中途半端にやるよりはどう持って行きたいのかを最初に描いておいた方がいいかなと思います。