先日、京都発のエフェクターブランド&K.Laboratoryから歪みペダルをお借りしたので、それを使ってYngwie Malmsteen「Far Beyond The Sun」をコピーしてみました。
久しぶりに本気でコピーの練習をしましたが、やはり初期の曲と言え、イングヴェイは速いです。最近ではその強烈な性格もあってか、半ばネタ的に扱われることもしばしばですが、個人的にはイングヴェイは唯一無二のギタリストだと思ってます。
あれほどの速さから歌心や感情が感じられるのはやっぱりイングヴェイぐらいでしょう。速さだけなら今では上にいくらでもいますが、音楽的な部分に目を向けると、やはりイングヴェイほどギターを己の「表現」として使えてる人はそうそう居ない気がします。
ハーモニック・マイナー・スケール
さて、そんな彼の得意なスケーリングが「ハーモニック・マイナー・スケール」で、これ自体この人が有名にしたようなもんです。
本などではマイナースケールの7つ目の音を半音上げた、と解説されます。Aマイナースケールは
ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ
ですが、これが
ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ#
となるわけです。
指板上のポジショニングは色んなポジションが考えられますし、後述の理由により、ここでは掲載しません。知りたい方にはスケール表を検索などして頂くとして、ここでは使いどころの話をします。
Cメジャーキーで考えると、E7→Am(III7→VIm) と行くときのE7の部分でAハーモニックマイナーを使うとうまくはまります。Aマイナーキーで考えるとE7はV7になり、V7→Im という動きがなりたつので、Imに向かうV7で使える、と言いきってしまって良いと思います。
本人はハーモニックマイナーではなくフリジアン、と言って聞きませんが、れっきとしたハーモニックマイナーです。
実際のフレーズ
とはいえ、イングヴェイ流ハーモニックマイナーはその動きに独特の特徴があります。
これはAハーモニックマイナー(バックのコードはE7)ですが、こんな風に1弦に付き3音、ないしは4音使いながら横に広く移動するような使い方が多いです。ただ単に音列を覚えて速く弾くだけでそれっぽくならないのはここに理由があります。特にこのスケールはポジションの丸暗記が音楽的になりにくいです。
特に1小節目ラストの3弦12f-10f-9fのあたりは、ハーモニックマイナーの音列からは外れてるんですが、クロマティック音階を感じさせ、イングヴェイ的と言えます。
一番最後の6音ひとかたまりの上昇フレーズは、彼のフレーズでは定番中の定番ですね。
このフレーズはNever Dieの冒頭によく似てますが、これこそが最もイングヴェイらしいフレーズなんじゃないかと思います。開始位置がAマイナーのコードからやや離れてて把握しにくいですが、Amを12f5弦ルートで押さえてみると比較的近い位置にきますので、その辺から把握すれば良いんじゃないでしょうか。
問題は弾けるかどうかなんですが、フルピッキングはさすがにきついので、僕も随所にレガートを入れています。本人もフルピッキングで弾ききっているケースは稀だと思いますが、ピッキングを鍛えたい方は一度やってみる価値もあるでしょう。