この年の瀬にDiMarzio(ディマジオ)のTone Zoneをゲットしたので、今まで付いていた DP224 AT model を外して付け替えてみました。全く同じソロを弾いて音質の差を厳密にチェック。かなりの差が出ています。
ブリッジ側ピックアップを探す旅
ジョン・ペトルーシ・モデルのLiqui Fireも良かったですし、今回外したDP224 Andy Timmonsもかなり良いピックアップでした。
DiMarzio(ディマジオ)DP224 Andy Timmonsモデル レビュー
※両者の音源を掲載!
僕のギターはメイプル&マホガニーですが、コードの分離が極めてよく、ハイミッドが凄く出るので、非常に音が抜けます。

これは一見良いんですが、抜けすぎてシングルコイルのフロント側とのバランスが悪くなったり、ピーク部の中高域に比べると低域が不足して、か細い音に聞こえることが多いので、いっそ一番強力な奴で試してみるか、と思ったのがきっかけです。
DP155 Tone Zoneとは
多分一番強力な低域の出るPUのひとつ。元々がロックな印象の強いディマジオピックアップの中でも、典型的ハードロックトーンで人気の一品です。
個人的にはポール・ギルバートが使っていた印象が強いんですが、低音がやたら出るとか、コードが団子になるとか、あんまり良い評判を聞きませんね…。
徹底比較
題材は先日動画で記事を上げたドリーム・シアターの「The Spirit Carries On」のソロ。
DREAM THEATER「The Spirit Carries On」の弾き方を解析する
DP224で録音録画した動画から音源だけを抜き出してます。そして今回、Tone Zoneに付け替えて全く同じものを弾いてみました。どちらも素の音を録音しAmplitubeでリアンプしてます。Amplitubeはまったく同じセッティングにしているので、条件は同じです。
リアピックアップのみの比較なので、途中でフロントに切り替えてる間は参考になりません。ソロの前半部や一番最後辺りを参考にしてください。
DP224 Andy Timmons
DP155 Tone Zone
DP224 Andy Timmons
中域のやや高いあたりに強烈なピークを感じます。恐らく800Hz〜1.4Khzあたりだと思うんですが、この辺はピッキングすると一番美味しい感じで鳴ってくれる場所なので、弾いてて気持ちが良く、音が前へ飛んでくる感じがします。このピーク部が非常に強いので、音に密度が感じられますが、反面レンジが狭く、低域もTone Zoneに比べるとやはり貧弱です。
ピーク部のハイミッドにおける密度が、メロディ弾きに向いている感覚を改めて受けました。まぁ、Andy Timmonsのモデルやし、当たり前か…。ピーク部分がやや高域に寄っている印象もあるんですが、Ibanezのアンディ本人のギターとのコンビネーションだとこの辺りが良いのかもしれません。
DP155 Tone Zone
よりベタっとしてます。中域のピークが弱くなった分の印象でしょうが、やはり低域がどっしりとしているので、その分、重心は若干下がり、コシが座った感じがします。高域は少ないですが、プレゼンス成分はそれなりに伸びており、チリチリした質感が増えているので、ハーモニクスなどは気持ちが良いです。ハイミッドに極端なピークのあるAT modelに比べると、より素直な出音という感じです。
80’s〜90’sハードロック的な印象の強さからどうにも偏った評判ですが、さすがにロングセラーだけあって良いピックアップだと思います。低音の出方はボトムが膨らむと言うよりは伸びるという印象ですが、これもレスポールなどに付けると飽和しそうです。やはりストラトやディンキータイプのリアPU専用という位置づけでしょう。
まとめ
Tone Zoneの低域はさすがに強力で、今までに感じていたフロントPUとリアPUの低音感の差(フロント→リアに変えたときに低音がなくなる印象だった)がほぼなくなりました。フロント側とのEQ的な音質差が埋まり、バランスは良くなった反面、AT modelの持つ、メロディ弾きについてまわるピッキングに対するバイト感は望めなくなりました。どちらが良いのかは今のところ決めかねています。しばらく馴染むまで弾いてからまた考えます。