理論講座<コード進行編4>テンション・コードを使ってアレンジする

コードの項目ではテンション・コードそのものについて説明しました。ここでは実際の進行の中でどのように使うのかを解説します。

ダイアトニック・コード7つの中には、その構成音上、使える音と使えない音があります。

アヴォイド・ノート

コード上に載せて使えない音を「アヴォイド・ノート」と呼んでいます。アヴォイド・ノートはソロを取るときにロングトーンで鳴らしたりするのも、コード上に載せているのと同じになるので、NGとされます。

ドミナント・モーションの肝、「ファ・シ」(ドミナント)→「ド・ミ」(トニック)という音の流れの妨げになるものがアヴォイドと見なされています。トニックに「ファ(11th)」が使えないのは「ミ」とぶつかるため。ドミナントに「ド(11th)」が使えないのは「シ」とぶつかるためです。

使えるテンションノート

7th以外のダイアトニック

Imaj7 9th,13th(×11th)
IIm7 9th,11th,13th
IIIm7 11th(×9th)
IVmaj7 9th,#11th,13th
VIm7 9th,11th
VIIm7-5 11th,b13th(×9th)

基本的に9thはほとんどのコードでOKですが、注意すべきはIIIm7上は9th不可であるところ。間違えて使ってしまいがちなところです。

7thコード

V7 9th,13th,b9th,#9th,b13th
II7 9th,13th,#11th
III7(マイナー・キーでのV7)) b9th,#9th,b13th
VI7 9th,13th,b9th,#9th,b13th

III7はVImにつながり、マイナー・ツーファイブを形成することがほとんど。II7はmaj7や7thなどのメジャー系につながります。

こんなにたくさん覚えられませんが、次に繋がるコードがマイナーの場合はオルタード・テンション(b9th,#9th,b13th)、メジャー系の場合はナチュラル・テンション(9th,13th)

と覚えるのがラク。

V7、VI7はどちらにも繋がりますし、次にメジャー系のコードが来る際にもオルタード・テンションが使えますが、それをやると強烈にジャズっぽい響きになります。

アレンジ例

※キーはCメジャーに統一してます

Imaj7 – VIm7 – IIm7 – V7 【定番の進行】

上のコード進行を下のようにアレンジできます。ポイントは最後の2小節での Dm7(9) → G7(13)。2弦5fのミの音が鳴りっぱなしになっているのが特徴です。

Imaj7 – IVmaj7 – Imaj7 – IVmaj7 – IIm7 – V7 【IとIVを繰り返す】

69は6弦ルートのコードと5弦ルートのコードで、ルートを変えるだけで同じ形になるという便利なコードです。最後のG7はDm7(11)の11thの音を鳴らし続けるために、オープンコードのC7のような形を敢えて使っています。

IVmaj7 -III7 – VIm7 – II7 – IIm7 – V7 – Imaj7 【Stevie風味】

スティーヴィー・ワンダーの有名曲風味のコード進行。III7はオルタード・テンションが基本なので、#9→b9と動きを作っています。逆にII7は普通の9thしかはまらないので、定番の7(9)。Dm7(9)に移るには人差し指で押さえている3度を半音うごかすだけ。最後の進行は2弦の音が半音ずつ降りていくようになっています。